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蒲生駅東口にバスが来ない「バス停」・採算面で路線開設に至らず

2013.8.5 (越谷市)
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 越谷市内にバスの来ないバス停が。東武スカイツリーライン・蒲生駅東口のロータリーにあるバス停だ。この場所を発着するバスはなく、駅の乗降客は「なぜバス停があるの」と疑問を持つ人も多い。同市都市計画課による「バス停は蒲生駅東口線の都市計画道路建設で造ったもの。当時からバスが走る計画はなかったが、いずれ必要になるだろうということで建設した」としている。市は同駅東口からレイクタウンまでのバス路線を設置してもらえるよう市内の事業者に呼びかけているが、「採算が取れない」などを理由に実現していない。

 蒲生駅東口線は蒲生寿町の蒲生駅東口から県道足立越谷線までを結ぶ延長210b(幅員16b)の都市計画道路。屋根つきのバス停とタクシープールのあるロータリーは駅前広場(面積3500平方b)にあり、これらを含めた総事業費は36億400万円。1987年に都市計画決定され、1998年に事業開始。2007年3月に完成した。
 問題のバス停の建設は当初からあり、将来のバス路線実現に向け先行投資した格好だ。市都市計画課では「計画段階から事業者にお願いしているが実現のめどは立たない」という。同市内には現在36路線69系統もの路線バスが走っているが、主に駅を発着するものが中心。
 市内の新しいバス路線の協議は年1回の「越谷バス網整備研究会」で行われている。越谷市と近隣の吉川市、松伏町の担当職員にバス会社6社、警察署、県土事務所など関係者が集まって会議が行われている。今年は7月8日に越谷市中央市民会館を会場に開かれた。この研究会(会議)でも越谷市側から「蒲生駅を発着する新バス路線」を要望したが、同意が得られなかった。「ネックとなっているのは採算性と周辺道路が渋滞すること」(越谷市都市計画課・平井克明副主幹)だという。
 このような蒲生駅東口周辺などのような「バス路線空白地帯」が同市内には多くある。こんな中、市議でつくる「公共交通網整備推進特別委員会」(藤森正信委員長)では、6月に越谷市に対し公共交通不便地域の解消などを要望する「公共交通網の整備推進に関する提言」を初めて提出した。
 提言の内容は@公共交通不便地域の新たな交通施策を検討するため、関係行政機関からなる検討組織を設置することA新たな交通施策を検討するためにモデル的にコミュニティバスや乗り合いタクシーなどの試験運行を実施することB新たな交通施策の導入に関するガイドラインを策定すること、となっている。
 これを受けて、同市都市計画課では早速、検討を始めたが、どれも難題ばかりだという。同市の鈴木功・都市計画課長は「市内には北端と西端にまったくバスの走っていない空白地帯がある。高齢化社会を迎え早期に策を講じなければならない。現在、市内は民間バス会社による路線バスだけなので、引き続きバス会社で新路線をやってもらえるよう呼びかけていきたい」とし、コミュニティバスの新設(モデル)については「先進地の様子を勉強して、検討していきたい」と話していた。
 まだまだ公共交通空白地帯が多い越谷市。提言にあったように新たな取り組みが必要な時期に来ている。民間事業者頼みだけでは実現困難で、官民一体となったアイデアが必要だろう。
    (安部 匡一)
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