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多い「駅行き」ナシ地域・市内バス路線

2013.5.20 (草加市)
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 東京に隣接し「利便性の良いまち」という印象が強い草加市。実際は駅から離れた地域では、市内の駅や公共施設に直結するバス路線がないなどの交通不便地域がいくつかあり、車を利用できない高齢者や障害者らにとっては、「交通難民化」している現状で、市にとっても長年の課題でもある。交通不便地域の住民からは駅や公共施設に直結するバス導入の請願も出されており、今後どのように解消していく見通しなのか、取材した。

 市は、昨年8月、バス事業者3社を含む、学識経験者ら17人で構成する「市公共交通再編計画策定委員会」(山川仁委員長)を発足し、バス路線の再編計画策定に向け動き出した。
 市が行った世代別のアンケートの結果では、4人に1人が「交通手段がなくて困ることがある」と答え、その行き先として、どの年代・どの地域でも「駅」が多くを占め、次に地域によっては鉄道やバスを何度も乗り継がないと行けない「市立病院」、そのほか、「イオンレイクタウン」、「市役所・サービスセンター」と続く。地域懇談会や聞き取り調査では、地域によっては市内の駅や市立病院などに直結するバス路線がなかったり、目的地にたどりつくまでに、バスと鉄道を乗り継いだりと、市民にとって不便な実態がわかった。
 2011年6月の定例市議会に、新里町、両新田東町、両新田西町などの住民737人の署名を集め「市南西部地域に市内循環コミュニティバスの導入を求める請願書」を提出した住民代表の一人、新里町会長の吉岡弘司さん(71)は「この地域は、谷塚駅、草加駅に直接行けるバス路線がなく、竹ノ塚駅行きバスだけ。市役所や市立病院に行くには、鉄道とバスを乗り継いで行かなければならず、高齢者などにはかなりの負担。こまめに地域内を巡り市内の駅や公共施設に行けるバスがほしい」と訴える。
 市では、これまでの調査を踏まえ、高齢者、障害者、子育て世代の移動手段確保のため、既存バス路線の延長、接続化を図ることを、このほど、「市公共交通再編計画(素案)」でまとめた。ホームページなどで公表し、あす21日から6月20日まで、市民から意見を募集する。
 素案には、既存の地域間幹線路線7本を中心に再編成し駅と駅を結ぶ案(戸塚安行駅・東川口駅までの延伸、八潮駅方面への延伸・接続、竹ノ塚駅西口発着路線を谷塚駅や草加駅西口への接続を検討など)、さらに、交通不便地域の谷塚西部地域や草加川柳地域から駅、市役所、市立病院などを経由する路線確保などを盛り込んだ。  菅沼茂夫・市交通対策課長は「市民の生活にとって大切な移動手段である公共交通ネットワークの維持のため、多くの人が利用できるよう環境づくりをすすめたい」としている。
 再編計画決定は7月ごろとなるが、今後、バスのスムーズな運行のため、道路改良や駅前ロータリー整備、バス事業者の採算面などの課題もある。一日も早く交通不便地域を解消し、だれもが「安全安心に暮らせる」草加市になってほしい。GT(金子 貞雄)

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