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八潮を「花桃」のまちに・進む首都圏桃源郷づくり

2013.3.4 (八潮市)
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 もうすぐ花桃のシーズンが到来。八潮市では今年も10日から同市木曽根の中川やしおフラワーパークで恒例の「花桃まつり」(31日まで)が始まり、濃いピンクの花がまちを彩る。例年3万人でにぎわうイベントだ。八潮市は「花桃のまち」をめざし、まちおこしプロジェクト「八潮市首都圏桃源郷づくり構想」策定を、昨年5月に決定した基本方針をもとに、現在官民一体となって進めている。近く同構想案がまとまり、発表される予定だ。「花桃」の観光名所は関東地区では珍しく、市はまちのイメージアップや観光客を呼び込む観光資源として期待する。
 「八潮市首都圏桃源郷づくり構想」のきっかけとなったのは、以前は家電製品などの不法投棄場所となっていた中川河川敷が整備されたこと。八潮市商工会や八潮ロータリークラブが提唱し、市が国から河川占用許可を得て、観光と地域貢献を目的として、埼玉県の補助金を活用した市商工会が主体となり整備され、1997年3月に開園。その後、市と協定を結んだ一般社団夫人八潮市観光協会が、フラワーパークを含めた河川敷約4万7200平方bの管理を行い、市民ボランティア団体による花壇づくりや菜の花、コスモスなどの季節の草花の種まきなどが行われている。
 花桃はこのフラワーパークのシンボルとして植樹されたのがはじまり。全国的な名所が多い桜よりも、長野県阿智村の昼神温泉、茨城県の古河総合公園などでしか、まだ知られていない「花桃」に着目した。フラワーパークには現在、長い期間楽しめるように、3月上旬から咲くピンクの「矢口」、赤みの強い4月上旬に咲く「黒川矢口」の2種類、約150本が植樹されている。
 市では、観光協会の要望を受け、3年前からTX八潮駅周辺からフラワーパークにつながる市道の街路樹に花桃を植樹して「花桃ロード」として位置付けていくことにした。品種改良され、ほうき型に上に伸びる品種「照手桃」を5路線に約170本植樹した。花桃は市役所庁舎前庭や街路樹、公園に、現在は市内に合計約320本ある。市商工観光課では「関東地区でこれだけの規模の花桃の街路樹はないのではないか。街路樹として植樹することで首都高速道路のドライバーやつくばエクスプレスの乗客からも花桃の鮮やかなピンク色が遠くからでも見えるようにアピールしていきたい。今後は、公共施設をはじめ、一般家庭、企業などの協力で花桃を植樹してシーズンには、フラワーパークを中心に八潮市内をピンクの花で彩り、全国的な名所、花桃のまちをめざしたい」と期待を込める。
 市は市民アンケートをもとに、市観光協会と話し合いを持ちながら首都圏桃源郷づくり構想案を近くまとめる。昨年打ち出した基本方針の中で、「花桃を活かしたまちづくり」の推進イメージとして、豊かな心の醸成、観光イメージの確立、計画的な植栽による景観の向上、コミュニティの活性化、花桃スポットをめぐるウォーキングによる健康づくり、をあげている。想定される施策として、花桃キャラクターの作成や花桃グッズ・B級グルメの開発、市の特産品・推奨品との連携、花桃の苗木の育成、八潮独自の品種開発などがあがっており、実現に向けた構想案として盛り込まれそうだ。
 市商工観光課の村上誠弥課長は「首都圏桃源郷づくりによって、景観の向上、地域の憩いの場としてコミュニティの活性化、など様々な効果が期待できる。観光協会、市民団体と協働して着実に構想を実現していきたい。課題は将来に備えた維持管理だが、花桃の専門家育成など観光協会と連携し長期的に取り組む視点が必要」という。
 一方、市観光協会では、昨年11月に「花桃研究部会」を発足し、首都圏桃源郷づくりに本腰を入れ始めた。同協会理事で部会長の川澄吉夫さん(72)は「グッズやおみやげなどを展開する花桃を使った地場産業づくりが今後は必要。桃園で実を栽培し花桃を使ったジャムやリキュールなどが作り販売もできれば1年を通して、花桃のまち八潮をアピールできる。花桃に関する専門家を養成し害虫駆除や維持管理のノウハウを確立し将来、「花桃110番」のようなサポートする組織づくりも考えたい」と意気込む。
 これまで、観光資源と呼べるものがなかった八潮市にとって、「首都圏桃源郷づくり」は全国にアピールできる観光名所の確立にもつながる。「品格と活力のあるまち」をキャッチフレーズにする市としても花桃のイメージが定着すれば、「住んでみたいまち」へと大きく変貌するかもしれない。長期的な確かなビジョンを持ち、八潮市が変わっていくことを期待したい。
(金子 貞雄)

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