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写ったぁ

中島清治さん・写真ミニ博物館館長

2013.1.28 (草加市)
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 草加市立中央図書館3階で2月11日まで開催中の「古写真で見る草加の歴史」展には、明治から昭和初期の当時の街の風景や生活がわかる写真がずらり並ぶ。市所有の資料のほか、主宰する私設博物館の収蔵資料で協力している。「地元の貴重な歴史でもある、祖父が撮影した古写真や機材を保存し後世に残したい」との思いから、綾瀬川左岸沿いの自宅の1部を改装して約20畳の広さの「写真ミニ博物館」(毎週水曜日午前10時〜午後3時)をオープンしたのが4年前のこと。37年間の教員生活が定年になったのを機に、長年集めた写真関連資料をもとに、日本の写真の歴史を体系づけて展示していこうと開館した。
 30年余りかけて骨董市や知人を通じ収集した、江戸末期や明治期のだるま型スタジオ用写真機、国内に数点しか残っていない幕末期の銀板写真、時代の変遷がわかる国内メーカーのカメラなど約3000点を収蔵。子どもたちも歴史学習の資料づくりに訪れる。「子どもたちには写真、映像の歴史を通じて、活気があったかつての日本のものづくりの情熱を感じてもらえれば」との思いを語る。
 この博物館づくりの原点となったのは母方の祖父、写真師豊田清光の存在。草加市柿木町で明治33年(1900)に、東武沿線初の写真館「春光堂」を開業。修業先の上野の写真館では、近くに住んでいた病床の俳人正岡子規の横顔を撮影した人物だ。清光は越谷、草加、吉川など近隣地域の明治、大正時代の風景写真や当時の生活がわかる貴重な写真を数多く残した。これらの遺品を出発点に近隣の旧家を訪ね歩き、建て前(棟上式)や出兵の記念写真など祖父の残した写真を約300枚発掘した。
 博物館の夢を語ると、みな快く古い写真を提供してくれて、祖父の写真だけでなく県東部地区の古い写真が続々と集まった。これらの中から厳選して「埼玉東部写真集」(1987年)も出版。140周年の歴史を刻む草加、谷塚小の行事や珍しい昭和初期の川柳小の遠足風景などもあり、記念誌や地域の市史などにも写真を提供している。
 「古い写真は歴史を忠実に再現した生き証人。地元の歴史をひもとくカギともなる資料として、博物館収蔵の写真が貢献できればこんなにうれしいことはない」と使命感も感じ、地元への協力は惜しまない。

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