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26年ぶり事業動き出す・吉川美南駅西口再開発

2013.1.21 (吉川市)
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 吉川市に昨年3月に開業した、JR武蔵野線・吉川美南駅西口の再開発がようやくスタートした。同駅西口に面する約16fを開発するもので、大和ハウス工業と住友不動産が共同で国鉄清算事業団を引き継いだ「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」から購入取得した。取得金額は約180億円で、県内有数の大規模開発になる。1986年の国鉄武蔵野操車場の廃止以来、26年の年月を経てようやく事業が動き出した。住宅建設と商業施設の建設で吉川の新しい街が誕生するか注目される。
 同再開発地区は同駅周辺と武蔵野線に面した全体で29fを整備する。そのうち道路や公園などの公共部分を除いた16fについて、同機構が昨年8月に競争入札を実施。大和ハウスと住友不動産の2社連合が落札した。
 29fのうち、約14fは商業施設として整備する。イオン傘下で商業施設開発のイオンタウンがショッピングセンターを開設する計画。約16fの住宅地のうち5fは大和ハウスと住友不動産がマンションを共同開発する。残りは大和ハウスが戸建て住宅を約300戸建設する。
 戸建て住宅を建設するのは大和ハウス越谷支店(越谷市七左町)。同社として初めて住宅全戸に「太陽光発電システム」「リチウム蓄電池」「家庭用燃料電池」「D|HEMS(節電と省エネのモニター)」の4点を標準装備した環境対応型の住宅を建設する。現在、地区内にモデルハウスを建設中で、2月中旬から販売を開始する。
 同支店の増田安彦・分譲住宅営業所所長は「環境配慮と光熱費の削減を両立した次世代型の住宅。断熱材もワンランクアップした性能のものを使用し、床暖房も装備し、冬の暖房効率もアップさせました。新しい駅前にふさわしい、まちなみも整えて、最先端のまちにしたい」と意気込む。
 これらの周辺整備の始まりは、1986年の吉川駅から新三郷駅にかけての当時の国鉄武蔵野操車場廃止までさかのぼる。当初、三郷市と吉川町(当時)の同操車場周辺の1000fを整備しようと巨大プロジェクト「マルチポート・シティ」からスタートした。両市町と国、県、国鉄清算事業団、住宅都市整備公団、東工大教授ら学識経験者らで、整備計画を作成。しかし、景気低迷などの影響を受け、徐々に整備計画面積が縮小していった。
 事業を現実的に進めようと、1998年に武蔵野操車場跡地及び周辺地域整備事業化検討会議(県、吉川市、三郷市、鉄道運輸機構、都市再生機構、JR東日本で構成)を発足。まず、新三郷駅のホーム上下線一体化(1999年)に取り組み、さらに2006年には新三郷駅周辺(51f)の造成に着手し、三井不動産を代表とするコンソーシアムへ土地を売却し、2008年に開発工事が完了し、今では「ららぽーと新三郷」としてにぎわっている。同会議は2009年に解散した。
 後回しされた感のある吉川市側の整備は2008年度に操車場跡地地区の都市計画決定・事業認可され、東口の周辺地域についても協議を開始した。同市都市計画では「操車場の廃止から、新駅を開設し、街づくり計画を進めてきた。今回、開発者が決まり、新駅開業でようやく周辺整備が本格化しそう」と期待している。
 課題は手つかずの線路を挟んだ反対側の東口の開発だ。同市の計画によると東口周辺の63fを市街化し土地区画整理事業を実施し、街路整備と宅地開発をしたい考え。2008年から、県と市街化に向けた協議を始めている。
 大型商業施設(越谷市のレイクタウンと三郷市のららぽーと)にはさまれた吉川市にとって、個性あるものができないと集客は見込めない。しかし、今回始まった西口再開発は新たな環境対応型の住宅を整備し、新しいまちにふさわしいものになりそう。東西バランスのとれたまちづくりが今後、期待される。
   (安部 匡一)
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