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入居者に増える要介護・ケアハウス、「特定施設」移行急務に

2012.12.3 (越谷市)
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 ケア(介護)が必要になると、ケアハウスに居られない?。ケアハウスは老人福祉法で定められた軽費老人ホームの一種。60歳以上の自立した人を対象にした、食事・入浴付きの「老人マンション(住宅)」だ。介護保険制度が始まる10年以上前の1989年から制度化されているが、入居者が高齢化しているため、介護が必要になっている高齢者が多くなっている現状がある。越谷市増林に1997年に開設されたケアハウス「コスモ越谷」もその一つ。コスモ越谷によると年々入居者の介護度が高まっており、「このままでは特別養護老人ホームに入所が必要なケースも出てくると考えられ、再度の住み替えが必要になる人もいるかもしれない」としている。現在もケアハウスに居ながら通所系の介護保険サービス(訪問介護など)を受けている人もいるが、施設に居ながら在宅サービスを受けているという矛盾も生まれている。

 越谷市増林の総合公園そばの豊かな田園地帯に建つ、ケアハウス「コスモ越谷」は鉄筋コンクリート造りの5階建てに定員55人のところ、現在50人が入居しているが、4室の空き部屋もある。入居者の平均年齢は82歳と高い。そのうち要介護認定者は18人いて、要支援1から要介護2までの人がいて、訪問介護などの在宅サービスを受けている人もいる。同ハウスの入居は原則、身の回りのことは自分でできることが条件だが、同ハウスの石川勝雄施設長によると「このままでは入居を続けるのは、困難になるだろう」という。
 ケアハウスの利点は、所得に応じた低額負担で、食事、入浴のサービスの提供があり、規則正しいリズムで生活できること。自由な時間も十分持てて、趣味などを楽しむ人も多い。入居者の一人、古屋ハナさん(82)は「子どものいない私は老後の生活を施設に入居してと考えていました。コスモ越谷の家庭的な雰囲気にほっとしました。食事は入居者の皆と一緒に食べられ、お茶の時間には、おしゃべりに夢中になって大笑いして、一人になりたかったら自分の部屋でのんびり過ごすこともあります。安心して毎日の生活ができることに感謝しています」と笑顔だ。
 問題はケアハウスは、住宅や施設内の構造が要介護度2ぐらいの中程度を想定しているため、高齢化すると介護度が高まる可能性が高いため、このままでは施設に居られなくなることも。そのため、コスモ越谷では、要介護度が高くても入居できる「特定施設入居者生活介護事業」(通称・特定施設)に移行して、「終の棲家(ついのすみか)」になれるようにすることを考えている。
 石川施設長は「特定施設への移行は施設の大幅な改修が必要なのと、介護サービスをするスタッフの確保など多額の費用の負担が必要になる。原則、費用は自前で用意しなければならず、どうするかが課題だ」と話す。越谷市は2015年度に中核市への移行を予定しており、ケアハウスの「特定施設」への移行の認可も市でできることになり、「2015年度に申請できるよう準備を進める」(コスモ越谷・若色欣爾専務理事)という。なお、市内にはコスモ越谷を含め2か所のケアハウスがある。
 一方、越谷市内の老人介護施設は、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホームなど各種があるが、特に特養のニーズが相変わらず高い。現在、7か所569床あるが、来年4月に1か所120床、2014年度末までに、さらに2施設220床増える計画で全部で2014年度末までに909床になる予定だ。ただ、市によると、特養の入所希望者は後を絶たず、580人が入所待ちをしているという。
 同市の鈴木俊昭福祉部長は「越谷市も5年後には高齢化率が20%を超える見込みで、65歳以上の人が7万人を超すとみられている。急速な高齢化で施設サービスの需要が高まるため、さまざまなニーズにこたえられる施設計画が重要になってくる。さらに住み慣れた地域で生活を続けることができるよう地域包括ケアを充実させていきたい」と話している。
 介護保険制度が始まって12年。行政は施設や在宅サービスの充実に懸命だ。財源となる保険料も年々値上げされてきており、被保険者(40歳以上)の負担は増えるばかりだ。介護施設充実と同時に「介護予防事業」に力を入れ、元気で暮らせる市民を増やすことが今後求められる。
 (安部 匡一)

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