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送信場所など、まだ未定・来年開局のFMこしがや

2012.7.16 (越谷市)
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 越谷市にコミュニティFM放送「エフエムこしがや」を開局しようと、市民有志が2010年12月に準備会を立ち上げ、今年3月8日に株式会社エフエムこしがや(越野操代表取締役、資本金200万円、越谷市東越谷)を設立し、来年4月の開局を目指して準備を進めている。現在、総務省と「予備免許」(電波を送信するアンテナを設置できる国の許可)の申請に向けて協議が始まっている。ただ、現在、アンテナの設置場所(送信場所)とスタジオ・事務所の場所が決まっておらず、同社では「公共的な放送という立場と耐震化の関係から市内の公共施設を使うのが望ましいので、今後、越谷市と協議していきたい」としているが、先行きは不透明で、開局までにはまだ困難が予想されている。

 「エフエムこしがや」は、越谷市南越谷の主婦で越谷市ボランティア連絡会相談役の越野操さん(62)が呼びかけ、2010年12月にボランティアの仲間たちと準備会を立ち上げた。これが母体となり、趣旨に賛同する市内の通信施工会社社長やコンサルタント、NPO法人理事ら11人が集まって、株式会社を設立した。
 越野さんは、1995年1月に阪神・淡路大震災の被災地・神戸市を訪れ、ボランティア活動を続けていた。同震災後に開局した神戸市のコミュニティFMを聴き、安否情報、被災情報、生活情報など身近できめ細かな情報を収集・発信する「防災メディア」として、その有用性を確認した。越野さんは「地域に密着した放送をしていた。越谷とは地域性は異なりますが、将来、絶対必要になると感じました」と振り返る。そして、昨年3月の東日本大震災。被災地の避難情報、安否情報などが混乱する中、「やはり今、越谷でやらなければ」(越野さん)との思いを強くした。
 株式会社設立後、総務省との協議をスタートし、市内でに電波の受信状況を調べる「電界調査」をはじめ、さまざまなテスト、調査を繰り返している。アンテナは市内登戸町の通信施工会社の協力を得て、設置し、調査やテストをしている。同施工会社社長で、エフエムこしがや取締役の岩田豊さん(47)は「暫定的にアンテナを設置していますが、市内全域に電波が届くことが調査で分かりました。ただ、電波を発信する場所は避難場所にもなっている場所が望ましいので、今後、市と協議をしていきたい」と話す。
 開局後の番組について、コンサルタントで同取締役の稲本尚司さん(53)は「市政情報をはじめ、市民参加の番組を企画し、イベントに出かけて生放送するなどして、市民にふだんから聴いてもらえるような企画を考えていく」という。ただ番組制作などに年間3000〜4000万円の経費がかかると見られ、どう費用を捻出するかも課題だ。
 同エフエムについて、高橋努・越谷市長は「資金の確保、番組編成、運営体制など課題もあると思うが、一つの経営体として、採算性も含めて、しっかりとした計画を立て、事業を進めていただきたい。市としては、こうした計画が示されたうえで、課題について協議していくものと考えている。できることには限界があるが、どのような協力ができるのか、市も一緒に考えていきたい。計画が詰まってきたら、市に相談してほしい」と後方支援する姿勢を示している。
 アンテナ設置やスタジオなど公共施設を使えるかは不透明。早く市とエフエムこしがやが一緒のテーブルにつき、膝を交えて協議することが必要で、さらに市民へのアピールも大事だ。総務省との協議もあり、予定通りには進まないかもしれないが、一つひとつ課題をクリアしていく必要があるだろう。
 (安部 匡一)
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