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市民健康の目玉に・ICウオーク事業

2012.7.2 (三郷市)
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 三郷市健康推進課が市健康増進計画「すこやかみさと」(2006年度策定)にもとづき、健康づくり事業のひとつとして2008年6月から取り組んでいるのが「すこやかみさとICウオーク事業」。設定されたウオーキングコース上の端末に、登録されたICカードをかざすと、歩行距離の累積記録や歩行時間などが記録され、インターネット専用サイトで自分の歩行履歴が一目でわかるシステム。利用登録している市民からは、気軽に健康づくりができると好評の声があがっている。その一方で今年5年目を迎え、歩行距離に応じて付与されるポイントの具体的な活用方法が決まらないことや安全に歩けるコース設定に苦慮するなど課題も抱えており、今後の展開が期待される。

 ICウオーク事業は、三郷市健康増進計画「すこやかみさと」の4つの柱、うごく(体を動かす)、たべる(栄養、食生活改善)、なごむ(休養、心の健康)、まもる(病気や事故から身を守る)のうちの、「うごく」に位置づけられている。健康推進課を中心に庁内会議で、「市民の運動を始めるきっかけづくりや継続性が期待できるものを」と検討、模索する中で、健康スポーツ支援関連事業を展開する、東京都港区西新橋の企業と協力し、神戸市のNPO法人が国内で初めて導入したICウオークに着目。三郷市が東日本では初導入、この企業にシステムの管理運営を委託しスタートした。
 ICウオークのコースの設定は、既存の市内19のウオーキングコースをベースに、市民団体「健康づくりをすすめる会inみさと」が協力し、実際に歩き設定した。現在5コースがあり、つくばエクスプレス三郷中央駅周辺の1・3`の「におどり公園コース」を第1弾に、「桜のトンネル早稲田コース」(2・5`)など1・3〜3・2`の短距離で設定され、24時間利用できる。
 このシステムは、コース上にスタート・ゴール、2か所の通過チェック地点に端末が設置され、ICカードをかざすと、歩いた日時や歩行距離、所要時間などが記録され、専用サイトにアクセスしパスワードを入力すると各個人のカロリー消費量などのデータが翌日には確認ができる。サイトから、身長、体重と目標値設定を入力しておくと、歩行距離や体重の目標達成率もグラフで表示される。さらに、歩行距離×10の計算で、ポイント=ICウオークでは、シード(種子)と呼称=ポイントが付与されているのも魅力だが、この活用方法については未定。「貯まったポイントは社会貢献事業に役立てたいという方向性はあり、協賛企業を募りポイントを還元するなどの構想があるが、具体的な活用方法は検討中」(市健康推進課)という。
 ICウオークの推進役には、4つの市民団体を中心に2009年8月に、「ICウオーク推進委員会」も発足、市と協働で年に数回、PRウオークイベントも展開し、達成距離によって表彰も行い、継続する喜びなどにつながっている。登録者は、今年5月現在で約1090人。未就学児から高齢者まで幅広く利用しているが、利用頻度が高いのは60歳代。現在の最高は、5000`達成者で3人いるという。「血圧が下がり、薬が必要なくなった」「一緒に歩く仲間ができて、心も体も健康になった」などの声も寄せられている。三郷市の取り組みは、第69回日本公衆衛生学会(2010年10月)でも報告された。
 今後もコースを増やしていくが、ICウオーク推進委員会の安部順雄委員長(73)は「虚弱な人やリハビリで歩く人もいるので、無理せず歩ける距離、長くても3`程度が理想。コース増設には、交通量や段差が少ないなど安全に歩けて、端末の電源が確保できるという条件があり、コースの設定がしにくい場所もある」という。
 現在の5コースは、人口が多い地区に集中。健康推進課の高嶋敏彦課長は「高齢者にとっても疲れず、程よい距離でのコース設定が理想。戸ヶ崎地区のように細い道が多く危険でコース設定しにくい地区もあるのが悩み。ウオーキングがしやすいように交通環境を整えることも必要。住民ニーズに合わせてコース増設をしていきたい」という。
 街灯を増やしたり、危険か所をなくすなどICウオークのコース作りは、市にとっても、「安心安全なまちづくり」「人に優しいまちづくり」のヒントにつながるのではないか。健康づくりとまちづくりが相乗効果をあげるのを期待したい。
(金子貞雄)

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