写ったぁ

今秋、世界忍法大会を開く・種村 恒久さん

2012.5.14 (松伏町)
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 「忍法の精神を世界に伝えたい」と穏やかに話すが、161aの小柄な体からエネルギーがほとばしる。知る人ぞ知る「世界の忍者」だ。松伏町内で開く道場には毎日世界中から弟子たちがけいこに訪れる。欧米やアフリカなど世界23か国5000人を指導する。24流派の古武道を継承する宗家だ。今年10月に「世界古武道忍者大会」を千葉県で開催することになり、準備で忙しい。
 松伏町生まれ、9歳から武道の修行を積んだ。「忍法とは身・心・職(潜在意識)を守る最高の護身法であり、柔道や剣道などのスポーツと違うのは、弱いものが負けないこと。やればやるほど、年をとればとるほど強くなれるのです」。忍者の修行は、表芸として武芸十八般(柔術、剣術、居合術など)、裏芸として忍者十八形(精神的教養、体術、秘剣術など)を修め、最後に神心神眼の法を会得するという幅が広く奥が深いもの。
 自分の会得した武術が社会でどこまで通用するかを試したくて、大学卒業後に警視庁の警察官になった。捜査や警備の仕事で暴れる犯人を取り押さえるのは日常茶飯事。特に成田空港開港前の警備に機動隊員として応援に行き、連日、過激派との「戦い」に明け暮れたときは、殉職する仲間がいる中で、「大きなけがをすることなく無事に仕事ができた」ことに自信を持った。警察学校教官を最後に退職し、37歳で武道家として独立した。
 家にはまだ幼い子どもを抱えていたが、妻の眞千子さん(59)に頭を下げて、サラリーマンの生活を捨て、世界各国を回る武道の旅に出る。海外での日本武道の人気は高く、特に欧米で道場を訪問すると、たちまち「教えて欲しい」とラブコールが相次ぎ、各地で指導し、収入源にした。23か国を回り、3年間の旅を終え、日本に戻り、松伏に「世界玄武館忍法道場」を開設した。
 「道場には民族や宗教の違う世界各国からの弟子たちが来ます。国同士は戦争をしていても、彼らは武道仲間として皆楽しくけいこをしている。武道は世界平和にもつながるのです」。けいこは厳しく日本人の弟子が集まらないのが悩みとか。
 地元では保護司としても活動。現在、越谷地区保護司会松伏支部長として、矯正や社会復帰の後押しをしている。「弟子たちには家族と思って接している。武道で世界に恩返しができれば」と語る目は優しく、武道を愛する心に満ちあふれている。
 (安部 匡一)
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