Backnumber: 2006年 2007年
とーよみの目

工事遅れる東埼玉道路・松伏地区は町道に大型車事故多発

2007.10.16(松伏町ほか)
とーよみの目写真
工事がストップしている八潮市八條〜春日部間の東埼玉道路
 外環道と国道16号を結ぶ、埼玉県の新しい南北軸と期待される、地域高規格道路「東埼玉道路」(八潮市八條〜春日部市下柳間全長17・6`)の工事が現在、停滞状況にある。沿線自治体では早期完成を要望しているものの、19年度も国の予算がつかず事実上ストップしている。
 現在、供用を開始しているのは、八潮市八條から吉川市川藤までの5・7`、しかも側道部分のみだ。このうち5・4`(越谷市増森まで)は3年前の彩の国まごころ国体開催に合わせて急ピッチで工事が行われ、完成したいきさつがある。
 管轄する国土交通省関東地方整備局・北首都国道事務所の菅野和典副所長は「上には予算配分を要望しているが、側道の春日部までの残りの部分の事業化も決定していないため、用地買収含め手付かずの状況で先が見えない」という。
 道路特定財源の配分の優先順位が国の方針では、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、外環道、首都高速中央環状線を上位にしていることも予算が回ってこない背景としてあるようだ。圏央道などは完成目標年度を掲げて公表しているが、東埼玉道路は先が見えない状況だ。

 側道部分だけでも早期完成をと、沿線自治体で構成する「東埼玉道路建設促進期成同盟会」(会長・戸張胤茂会長、9市町)は今年も5月と8月に国に陳情した。しかし、本体の高速道路部分の事業主体も確定していないだけに、見通しは暗い。
 沿線自治体でも深刻なのは松伏町だ。側道の暫定開通は県道東京平方線(越谷市増森地点)までのため、春日部市赤沼交差点(国道4号)への抜け道として、ゆめみ野の住宅街を走る町道7号線(2・3`部分)は、大型トラックなどの通行が激増。騒音・振動被害のみならず、交通事故も増加。2006年度調査では、交通量は7倍、人身事故件数が年間28件と町平均の18倍となった。道路の損傷も激しく、修繕が追いつかず町の出費もかさむ。会田重雄町長は「町にとっても利便性は向上したが、住民からの苦情は多い。根本的解決のため早期延伸を望む」と話している。
 同北首都国道事務所は「側道だけでも延伸できれば、事故の減少、騒音・振動対策にも劇的な効果はあるはず。国体開催のように後押しするような起爆剤があれば」という。
 東埼玉道路により、吉川市の東埼玉テクノポリス(工業団地)拡充、越谷市のレイクタウンなど周辺開発の促進も期待される。高速道路部分も含め完成がいつになるのか。「幻の道路」とならぬよう早期完成が期待される。

(金子 貞雄)
 
東埼玉道路
 埼玉県南東部地域を南北に走る国道4号はじめ県道・主要地方道の慢性的な混雑緩和、周辺開発促進・地域活性化を目的に計画。東京外かく環状道路(外かん道)と接続し、首都圏を結ぶ東北道・常磐道などを補う広域道路ネットワーク形成を図る。計画は国道16号までだが、杉戸、茨城県五霞町方面への延伸、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)への延伸も要望されている。1988年4月に都市計画決定、94年12月、「地域高規格道路」計画路線に指定。来年度には、道路に接する越谷市のレイクタウンが一部まち開き、イオンの国内最大級ショッピングセンターもオープン予定。
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