Backnumber: 2006年 2007年
とーよみの目

決定打なく不安解消せず・ムクドリと闘う吉川市

2007.9.3(吉川市)
とーよみの目写真
空が暗くなるほど多くのムクドリが飛ぶ吉川市内
 JR武蔵野線吉川駅の南、北のケヤキの木はムクドリのねぐらになっており、住民からの「道路の糞が汚い、夜歩いていると糞がかかる、鳴き声がうるさい」などの苦情電話が吉川市役所に6月になると毎年かかってくる。
 ムクドリがねぐらにしているのは、吉川駅北口にあるケヤキ並木と南口にあるケヤキ通り沿いのケヤキの木で2004年から急にねぐらに利用するようになったという。5千羽から8千羽といる推定している。
 市では、毎年住民からの苦情があり、職員が追い払いにいってもすぐ戻って来てしまい、追い払うことができなかった。
 今年は、環境課がムクドリ対策の窓口となり、まずムクドリの生態について調査することから始めた、日本野鳥の会には、ムクドリの専門家はいないということで、日本各地の自治体の対策を調べたり、吉川のムクドリはどこで生息しているかについて調べた。


 吉川駅周辺をねぐらにしているムクドリは、江戸川、中川周辺、越谷市の鴨場、つくばエクスプレス沿線の開発によってねぐらが少なくなったため、集まるようになったのではと考えられた。
 このほか、街中は天敵のタカ、フクロウの仲間がいない、建物が風よけになって暖かい、人が活動しており照明で明るく、熱で暖かいなどの理由もあるという。
吉川市では対策として、ムクドリを捕獲、鉄砲、エサを無くすなどの駆除はできない。このため、まず駅周辺からムクドリを移動させようと考えた。店舗、マンション入口にある24本のケヤキの枝の剪定をし防鳥ネットを掛けた。一時電線に止まっていたが、すぐ剪定していないケヤキをねぐらにした。


   さらに、全国各地の対策を調べ、新潟県長岡市、兵庫県姫路市、茨城県つくば市などで、危険が迫った時や天敵に捕まった時の悲鳴になるムクドリの忌避音(ディストレス・コール)を流すことで追い払うことに成功している。長岡市からこのテープが配布されたため吉川市も譲り受けた。
 以前、忌避音を流したが、この時は住民に知らせないで実施したためこの音に対する苦情があった。今回は、事前に地域の人に回覧版を回したり、チラシを配ったり、道路に看板を設置して知らせた。
 7月23日夕方に職員19人が吉川駅北口、南口に配置して、ムクドリがねぐらにはいた時間をみはからって、ラジカセ、スピーカ付きの車両から忌避音を流した。ムクドリは、一斉に飛び立ち移動したちが、すぐもとの場所に戻ってくるというので、時間を空けて数回流した。この日はどこかに移動した。  ムクドリはすぐ元のねぐらに戻ってくるというので翌日も待機したが、この日は電線に止まりねぐらに入らなかったという。その後は、吉川駅周辺のケヤキ並木では見られなかったという。
 染谷環境課長は「一応成功したようです。ただ8月上旬には小さい群れがねぐらを作ったというので、連絡があれば忌避音を出していきます。とにかく、繰り返すことが大切なようです。他では、数年後にまた戻ってきたという所もあるので、今後も注意深く様子を見ていきます」
 今後は、科学的な見地にたった対策、ムクドリの生息地がどこにあるか県単位での横との情報交換、各地の対策の効果の調査なとが必要という。

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