(草加市)
綾瀬川左岸地区を防災公園に・13年度完成目指す 草加宿事業の一環
  草加市が地域住民と協働で草加駅東口の旧町地区・綾瀬川左岸広場周辺を中心に進めている、まちづくりプロジェクト「今様・草加宿」事業が新たな局面を迎えている。凍結状態にあった綾瀬川左岸地区整備計画関連予算が議会の同意が得られる見通しとなった。

防災公園に整備される綾瀬川左岸広場
 
 同地区は、既存の市民まつりなどの各種イベントで現在使用されている広場3・6f(道路部分含む)と冨士製革跡地2・1fで大半を市土地開発公社が所有。現在は間に民有地0・7fがあり、一本の道路でわずかにつながっている土地だ。
 市の構想では民有地を取得してまとまった用地にして、「防災機能を持った市民に親しまれる防災公園」にする。半径500b圏内に人口一人当たり2平方bの空き地がまとまって確保されていないこともあるが、同広場が市地域防災計画(2004年3月策定)で災害時の物資集配送拠点、臨時へリポートに位置づけられていることも防災公園整備が急務になっている。今年度は測量、一部用地取得、基本計画作成、来年度には都市公園として都市計画決定、2013年度には都市公園として全体が完成する見込み。
 整備を担当することになる市みどり公園課は「公園は、普段は市民に憩いの場、各種イベントができる広場を持つ都市公園。防災拠点として必要な機能を市議会や多くの市民の意見をうかがいながら、今年度中に基本計画を策定していく」という。

 昨年12月、市議会に説明した同事業のうち、綾瀬川左岸地区の整備計画は「議会、地元の合意を得ていない」として、市議会の理解を得られず、今年2月議会で付帯決議がつけられ、事実上関連予算が凍結状態にあった。市が当初提案したのは、都市再生機構法18条第1項(地方公共団体の要請により防災公園整備と市街地整備を一体的に行う事業)に基づくもので、市負担軽減、別枠で国から補助金が得られることなどを主眼に都市再生機構に用地取得、防災公園整備を全面委託する手法だった。全国で12地区、千葉県市川市、柏市、杉並区などが採用。
 この手法は事業の同意後は債務負担行為による事業となるため議会案件とならず、議会側は「議会のチェック機能が働かなくなる」、また「委託のため事務費が必要となり経費が不透明となる恐れがある」など指摘された。
 市ではこれを受けて、国土交通省や埼玉県などとと協議し、ほかの手法を模索した結果、都市再生機構と同程度の有効な条件で出来ることから市施行で進めることに決定した。今様・草加宿推進室の曽合吉雄室長は「地権者との細かい事業対応、議会・市民のへの説明責任をより一層果たすことができることから、地域との合意形成を図りながら進めていきたい」と話している。
 今様・草加宿事業は国のまちづくり交付金を活用し整備ができる、市にとっては願ってもない機会だが、後世に禍根を残さないまちをつくってもらうことが市民の願いだ。
(金子 貞雄)

<「今様・草加宿」事業>
 2003年の国の都市再生モデル調査をきっかけに、04年に国の「地域再生モデル事業」第1号に認定。まちづくり交付金制度を活用し、歴史や文化を生かした個性と活気にあふれたまちのにぎわい創出と魅力ある地域拠点の形成が目的。旧日光街道を中心とした、旧町地区(草加駅東口)から草加松原・綾瀬川左岸地区の約134f(高砂、住吉、中央、神明、松江、栄町、中根)の一部を一つの地域としてとらえ、かつての宿場のもてなしの心と賑わいを現代的に取り戻そうと、地域住民と市による協働で事業が進められている。旧町地区では、草加駅前広場のバリアフリー化やスポット公園、歴史散策路整備などが進む。事業期間は2005〜12年度、事業費は国からの支援約51・7億円など含め約146億円を見込んでいる。