(越谷市)
不登校児童生徒の対応支援・地域連携など重要に 「教育センター」オープン
 越谷市の教育の拠点となる市教育センターが同市増林に4月にオープンした。地域に根ざした教育を推進し、教職員の資質や指導力の向上を図り、市民のニーズに応える教育相談事業の充実を図るのが狙い。教育相談事業の一環の不登校児童生徒が通う適応指導教室「おあしす」もあり、学校に行けない子供たちも通っている。

4月にオープンした越谷市教育センター
 
 越谷市教育委員会では、不登校児童生徒への対応を充実するための「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業」に03年度から取り組んでいる。不登校児童生徒の早期発見・早期対応をはじめ、一層きめ細かな支援を行うため、教員や「おあしす」指導員の研修、家庭への訪問指導などに力を入れてきた。  同市教委指導課によると、市内の不登校(30日以上の欠席者)は小学校で02年度は0・45%だったのが、05年度は0・15%と1校に1人にまで減った。しかし、中学校では02年度に3・41%だったのが05年度に2・93%とほぼ横ばい。1クラスに1人いるという状況で、減る傾向にはないという。同市教委の渡邊よしみ指導課参事は「不登校になる原因は様々で多様化している。個々で対応しているが、なかなか成果はでない」と深刻に話す。
 現在、「おあしす」は市内の3か所にあり、教育センターはその中のひとつ。11人の小中学生が通っている。さまざまな事情で学校に通えなくなった子供たちが「学校は無理だけど、おあしすなら行ける」と、専門の指導員のもと、自主学習を続けている。97年に「おあしす」は開設。今年で10年目を迎えるが、年間の利用者は45人平均で、これまでの利用者は220人以上にのぼる。


 不登校児童生徒への支援活動に力を入れる越谷市教委では、スクールカウンセラーや学校相談員、心理学の専門家のスチューデントサポーターを市内全中学校に配置している。ひきこもりがちな児童生徒には、学校と教育相談所が連携し、教育相談所の相談員が、訪問などによるカウンセリングも行い、学校復帰に一歩でも近づくように支援している。
 こうした支援活動の中核となるのが、今回オープンした教育センターだ。まずは教員の資質向上のため研修活動に力をいれるほか、6月中にも「教育サーバー」を導入し、市内小中学校の情報をネットワーク化する。市内の教員と教育センターのコンピューターを一体管理し、情報を共有化、セキュリティーも図る。
 そして教育相談事業では専用の相談室を設け、来所での相談のほか、電話相談、子供専用の電話相談も設けている。専門の相談員が相談を受けている。相談件数は来所による相談が06年度は3210件、電話による相談が同年度で242件にのぼっている。相談内容は「発達」と「不登校」が多く、小学生の相談が増える傾向にあるのが特徴。
 同センターの桜井義幸所長は「教育センターは教育相談の拠り所として、さまざまな相談を受け付け、多様化する問題にていねいに対処したい。教育施設として、一人ひとりの児童生徒に何ができるのか考えていきたい」と話す。今後もスクーリング・サポート・センター事業と連携していく。
 渡邊参事は「不登校問題の解決の目標は、子供たちが将来的にも精神的にも経済的にも自立し、豊かな人生を送ることができるよう、その社会的自立に向けて支援することが重要。そのためにも医療機関や福祉などさまざまな立場のものがネットワークをつくり、援助を必要とする子供や保護者が適切な援助の受けやすい状況を整備していくことが大切」と話していた。
 一方、市内でフリースクール「越谷らるご」を運営する増田良枝さんは「学校に関することで保護者の方から相談を受けて感じることは、学校や相談所の先生に、人間としての対等な立場で話しを聞いてもらえない気がする。問題のあるダメな親子という視点で初めから指導の対象として上から見下して対応されているような感じがするなどの声を聞く。利用者の立場に立って運営してほしい」と訴える。
 立派になった教育センター。不登校児童生徒の対応などなかなか、成果は見えてこない事業を行うだけに根気とていねいな対応が必要とされる。「結果」をだすのは大変だが、学校や教委だけでなく、家庭や地域の連携も今後は大切になっていくだろう。
 
(安部 匡一)
 
越谷市教育センター
 越谷市増林3の4の1(増林地区センターに併設)。延べ床面積1412平方b。日曜、祝日、年末年始休所。来所相談(予約が必要)は午前9時30分〜午後5時、電話相談(TEL962・9300、962・8601)は午前9時30分から午後8時30分まで受け付け。子供専用電話相談(TEL962・8500)もあり、時間は同じ。問い合わせは教育センターTEL960・4150。