(草加市)
ストップ医療費増道半ば・運動への関心高まるが 市民健康支援の現状
草加市が厚生労働省の「国保ヘルスアップモデル事業」の指定を受け、2004〜06年度の3か年、国民健康保険被保険者を対象に高血圧症や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病予防の取り組みを実施してきたが、このほど結果がまとまった。市民の関心は高くなった一方、医療費削減に直結する効果はまだ得られていないようだ。

健康体操をする市民
 
  同事業のスタート時に比べて、血圧や体脂肪率、血糖値など改善されたものもあれば、逆に悪化したものもあり、効果てきめんとまではいかなかった。また、参加者も当初スタート時の636人から422人に減り、いわば"脱落者"も多かった。終了後の評価では、1日20分以上の運動週3回が48・5%から70・9%、一日6000歩以上歩くが23・3から45・8%に上昇(いずれも介入群)など関心は高まった。
 また約120人が今後も健康づくりを継続していこうと、市民サークルが2つできた。保健センターの事業担当、小林恵美子・石崎香織保健師は「今後は、メタボリック症候群や成人病予備軍含めた、健康づくりしたい市民の受け皿になってほしい」と期待する。
 同事業に参加し、健康づくり市民サークルの代表を務める、同市西町の田口儀一さん(64)は「定年退職を機に、運動不足でコレステロール値も悪かったので参加しました。生活習慣の改善指導でタバコや酒もやめることができました。体力測定など記録をつけて目標を持ち、頑張る仲間がいたことが継続していく力になりました」と話している。

 草加市の国保被保険者数は9万275人(2月末現在)。一人当たりの平均医療費額は03年24万9330円、04年25万3891円、05年は27万1032円と右肩上がり。国保特別会計も赤字が通常化、毎年、市一般財源から十数億円を繰り入れ、補填する状況が続いている。04年度は12億5227万円、05年度16億8235万円、18年度は17億1687万円となる見込みだ。
 市保険年金課・梶田優一課長は「一般財源からの繰り入れは20億ぐらいまでに抑える努力が必要。医療費増大の要因となっている生活習慣病や予備軍対象に向けて、市全体で健康プログラムの実施や環境づくりが市の責務でもある」と話す。
 市では今年度も、国保ヘルスアップ事業を県補助金を受けて継続、5月から新規対象者向け3コースで実施する。来年度からは、健康保険法改正などで導入されるメタボリック(内臓脂肪)症候群や予備軍に向けた特定健診、健康指導がスタート、受診率が低いとされる基本健診も保険事業者に義務付けられるため、今年度中に同事業に向けた計画策定も行う。
 市民の健康づくりに向けた市の支援はハード、ソフト両面でまだ不足気味。「身近で、簡単に、飽きずに、手軽に」といったキーワードで運動や健康学習できる環境づくりが民間活用など含めて求められる。GJ(金子 貞雄)

 <国保ヘルスアップ事業>増加し続ける国保医療費のコストダウンを図るため、厚生労働省が2002年度からモデル事業を実施。草加市の場合、市の基本健診で中性脂肪、血糖値、肥満などで要指導と判定された人を生活習慣改善のため各種体操やウオーキング、調理実習など指導者がついて個別支援プログラムに沿って実践する「介入群」、各個人で自己健康管理プログラムを消化する「対照群」の2コースに分け参加希望者を募り、約600人を対象に行った。  草加市の国保被保険者の疾病割合(40〜69歳、昨年5月分)は、高血圧性疾患、虚血性心疾患、脳梗塞、高脂血症、糖尿病のいわゆる5大成人病の受診は17・95%を占める。この中でも、割合が高いのは@高血圧性疾患44・33%A糖尿病24・07%B虚血性心疾患13・53%、の順。昨年の市の基本健診で約23%がメタボリック症候群と判定されている。