(八潮市)
小中一環教育スタート・情報共有、授業活性化にも 「特区」で5校編成
9日は入学式、新学年がスタートする。昨年11月に構造改革特区の「小中一貫教育特区」に認定された八潮市では、今年度から研究委嘱校5校で市教育員会独自に編成した新教育課程を施設分離型で実施する。

八條北小と施設分離型で小中一環教育研究校となる八條中
 
 今年度から3年間、研究委嘱校に指定されたのは、@八條中・八條北小A八潮中・潮止小・松之木小、の2つの枠組み。児童生徒と教員の交流を主眼に、英語・外国語の活動の時間、科目選択制などの新教育課程を導入。小学3年〜中学3年生が対象となる。2008、09年度にも数校を委嘱、見直しや改善を図りながら10年度から新教育課程を全小中学校で実施することが目標。
 市教育委員会の三宅隆志指導課長は「小中一貫教育は、いわゆる中一ギャップ解消への効果が狙い。教科担任制や中間・期末テスト、部活動など小学校時代と勝手が違い悩む子供も多い。小中学校の教員がお互いに授業などで交流や情報を共有することで子供たちが中学校でも悩みや迷いなく学校生活が送れる。いじめや不登校対策にもメリットは大きいはず」と期待する。
 八潮市は現行の年間総授業数を維持。総合学習の時間の授業数変更や中学校の選択教科の全廃などで捻出し、新教育課程を編成。自由に科目を設定できる新設の「えらべる科」(35時間)は学校独自に地域色や児童生徒の興味・関心の実態などに合わせてさまざまな科目が設定できる。学校の独自色がどこまで出せるか、教員の「やる気」を反映できる効果もありそうだ。

 総合学習の時間は30時間に縮小、地域の人材などから学ぶ「ふるさと科」を新設。英語・外国語活動の時間は、小中とも35時間確保、歌やゲームなど通じてコミュニケーション能力を高めるのがねらい。小中合同授業も予定。ALT(語学指導助手)や市民語学補助員などの活用で 総合学習の時間をやりくりし研究校以外の全小学校でも実施する。
 八潮中の新一年生になる女子の保護者、小竹小百合さんは「親子ともに中学校生活に期待と不安を持っています。小中の学習面や生活面などにつながりができてスムーズになることを期待しています」と話している。
 教育員会では保護者らの不安など取り除くために、研究の推進状況は教育委員会のホームページで逐一公開していく、という。授業の公開なども地域向けに実施する予定。
 つくばエクスプレス開通で都内私立校への流出も懸念される中、学校、行政、地域が一体となってよりよい教育環境を整えるのは市の将来にかかわる重要課題。小中一貫教育の研究によっていかに八潮市の教育レベルを高めていくか、その手腕が問われていく。
(金子 貞雄)

 <八潮市の小中一貫教育の経緯>当初は八條中、八條北小をモデル校に施設一体型ですすめる予定で、八條中の施設改修費が市議会で承認されたものの、児童をもつ保護者らの不安などもあり昨年7月、教育委員会の判断で一反は白紙に。昨年11月に教育特区に認定され、小中一貫教育自体には異論が少ないことから施設分離型で希望した3校を加え研究を進めることになった。宙に浮いていた施設改修費は今年3月、将来、施設一体型校舎が必要となった場合に備えてプールすることになり市議会で承認された。