(松伏町)
小学校新設を凍結・建設費28億円調達できず マンモス校の松伏小
松伏町が計画していた新設小学校建設が財政難のため、凍結することになった。5日、同町の会田重雄町長が明らかにしたもの。同町立松伏小学校は児童数1164人(2月末現在)、35学級のマンモス校。教育環境を良くしようと同小を分離し新設校をつくろうという計画だった。

1100人の児童が通う松伏小学校
 
会田町長は「新設小学校建設問題は、私の公約であり町の最優先課題として鋭意検討してきた。しかし、学校建設には28億円程度の費用が必要で、今のまちにはその費用を負担する余裕がない。不本意で大変残念だが、財政が好転するまでは小学校建設は凍結する」と町の厳しい状況を明らかにした。
 県教委東部教育事務所管内では隣の越谷市立東越谷小学校(児童数1257人、39学級)に次ぐ規模。東越谷小は今年4月から分離、新設校をオープンさせるため、来年度同事務所管内でもっとも規模の大きい小学校となりそう。現在、松伏小では体育館が狭い、特別教室が足りないなどの課題を抱えており、児童の学習環境に影響を与えている。
 今後、町では児童の教育環境整備のために「教育環境支援事業」として、非常勤講師を派遣し、チームティーチングによるきめ細かい授業をする。懸案の体育館改築(新築)と特別教室建設はめどがたたないままだ。会田町長は「現在、体育館を新設するのも無理な現状。教科担任制なども含めて教員を増やして児童の学習環境を整えたい」と話す。
 同町ゆめみ野に住む、同小5年生の母親(39)は「体育館が狭く、体育の授業などに影響がでているようです。普通の授業は問題ないのだろうけど、1クラス40人とほかの学校に比べて多く、いじめなどの問題が起きたとき、先生の目が届かないなどの心配がある」と不安をのぞかせる。同小は1、2年生は35人学級だが、3年生以上は40人学級で担任教諭が全体に目が行き届かないなどの問題があるのは事実だろう。

 松伏小は1971年(昭和46)に今の役場敷地から現在地に移転新設された学校。1987年(昭和62)から同小周辺のゆめみ野地区の土地区画整理事業が当時の住宅都市整備公団により施行され、人口が急増した。ゆめみ野開発当初から新設小学校建設の動きはあったが、当時の公団と町との話し合いがうまくいかず、先送りになった。  95年には児童数が1000人を超え、緊急課題となった。しかし、バブル崩壊で当時、公団による住宅開発が中止されたのを理由に98年に小学校建設は凍結された。さらに公団が民営化され都市再生機構になったのを機に、2000年から民間業者による宅地開発が可能になったため、03年までに520戸の一戸建てが建設され、若い世帯が転入し増え、急激な児童数の増加となった。
 このため、町では03年4月にプレハブの仮設校舎を建設し6教室を確保した。同教室はリース物件で年間1650万円のリース料を支払っている。08年度までの契約だったが、新設小学校建設が凍結したのを受け、再リースする可能性が大きい。昨年、町では財政健全化を目的に庁内に行財政対策推進本部を設け、小学校建設を含む、財政計画をたてた。町のだした今後5年間の財政試算では08年度以降、年間4億から5億円の財源不足(赤字)になる見通しになることを明らかにした。
 松伏の小学校建設問題は、バブル期のゆめみ野開発時から始まる問題。これまで何度も建設する機会があったにもかかわらず、先送りにしてきた「つけ」だ。将来を担う子供たちのためにも教育環境を整えるのは行政の最優先課題だ。
 
(安部 匡一)