(越谷市)
子育て支援、情報交換の場にも・越谷こどもステーション 参加無料、市民に人気
 越谷市で民間の子育て支援センター「越谷こどもステーション」が連日、多くの市民に利用され人気になっている。全国でも珍しい同ステーションは市内で民間保育園(のーびる保育園)を運営する社会福祉法人・相模会が設置し、運営している。少子化や子育て支援が全国的な問題となる中、公共性の強い問題なだけに、行政主導になりがちだが、こうした取り組みは「パイロット事業」的な意味もあり民間主導での効果が期待される。越谷で始まった新しい子育て支援事情を見てみる。

「赤ちゃんマッサージ」は毎回満員の人気講座
 
同ステーションは越谷駅西口にある民間ビルの1室を借りて開いている。隣には昨年11月オープンした越谷市病後児保育室(相模会運営)もある。広さは12畳ほどだが、じゅうたんが敷かれた室内は赤ちゃんがハイハイしても安心な構造になっている。2005年4月に開設され、「赤ちゃんマッサージ」(週2回)をはじめ、「子育て広場」、「リズムがいっぱい」「ママパパキラリ学習」「看護師さんと一緒」などの講座が連日開かれ、ほとんど定員いっぱいという人気。どれも参加無料なのも若いお母さんたちに人気のようだ。
 相模会では、1997年に市の委託を受け新越谷駅前に「南越谷保育ステーション」を開設。ここでの一時保育の利用が年間4000件を超え、子育て広場(講座)の利用も年間2000件を超え、ニーズの高まりを実感。核家族化が進む中、子育てに対する不安を抱える親が増えている状況を踏まえ、「民間施設として何かできないか」と考え、地域の幼い子を持つ親たちの支援にようと始めた。開設してみると特に告知しなくても、お母さんたちの「口コミ」で広が り。大盛況だ。
 「赤ちゃんマッサージ」に参加している大塚理恵さん(29)は娘の結奈ちゃん(11か月)を連れて参加。「娘が2か月から参加しています。子供も親もここに来ることでリフレッシュできるし毎回楽しみ」と 大塚さんは笑顔で話す。同じく大熊康子さん(34)は惇平君(10か月)を連れて参加。「子供もマッサージされとうれしいみたい。ここに来るとお母さん同士の情報交換もできるし楽しい」と大熊さん。指導する保育士の萩原恵さんは「ステーションに来ることで同じような月齢の子に会って子供も刺激になるし、お母さんたちも発育状況をみてお互いに安心したりして不安が解消されるようです。また、専門的な相談も受けられるので安心するようです」と話していた。

 同ステーションを企画する、のーびる保育園の松本實園長は「地域の子育ての拠り所として年齢や世代を超えて多くの方に利用してもらえれば。今後は被虐待児の受け皿としての活用も考えている。また、隣の病後児保育室とも連携し子供の保健や食育などの分野の支援活動もしていきたい」と抱負を話していた。民間ならではの機動力を発揮して地域の評価を得ている同ステーション。松本園長のアイデアはまだまだ広がりそうだ。
 越谷市では来年度、市内4か所目となる「子育てサロン」を新方地区の「住まいの情報館」内に開設する。乳幼児の保育付きでお母さん(お父さん)同士で交流できる場で人気施設。こちらも行政が常設しているものとしては珍しいもの。同市の遠藤武夫児童福祉部参事は「来年度は子育てサロンの充実や児童手当の拡充、母子家庭への自立支援などに力を入れる。保育ニーズも年々高まっており、子育てに喜びを感じられる環境づくりをしていきたい」という。子育てサロンを運営する子育てサポーター・チャオの雲雀信子代表は「(サロンは)毎回定員を上回り抽選で参加してもらっている現状もあり、もっと数が必要なのかも。さらに育児情報提供や虐待防止のネットワークづくりという意味からまだまだ多くの支援ができるはず。そのためにはほかの子育て支援施設との連携が重要なのでは」と提案していた。
 少子化で国をあげての子育て支援策に取り組んでいる。行政支援はもちろん大切だが、子育ては「地域力」でもあり、民間の協力が欠かせない。越谷での「こどもステーション」の取り組みなどは、まさに地域の人材を活用した民間活力の成果なのでは。こうしたパワーは民間同士、行政と民間が連携することで子育て支援ネットワークが広がるはずだ。  
(安部 匡一)
 
越谷こどもステーション
 越谷市赤山本町3の21皐月ビル。TEL969・5687。「赤ちゃんマッサージ」毎週月、金曜日午前11時、「リズムがいっぱい」毎週火曜日午前11時、「子育て広場」(つどいの広場)平日午前10時〜午後3時、など。