(松伏町)
「音楽のまち」が岐路に・財政難で補助金打ち切り ふるさと文化財団が解散
 松伏町の財団法人松伏町ふるさと文化財団が町の財政難などを理由に年内にも解散することになった。同財団は同町がすすめる音楽のまちづくりの推進をはじめ、芸術・文化とスポーツ・レクリエーションの振興を図るのを目的に平成14年3月に発足した。もともと県内屈指の音楽ホール・田園ホール・エローラの完成オープンを機に平成2年に任意団体の松伏町文化振興事業団ができたのが始まり。音楽文化を推進しようと当初から財団設立を計画していた。来年度以降、財団解散でこれまでのようにクラシック音楽コンサートが引き続き開催できるかは微妙になっている。ついに「虎の子」とされる財団の資金まで取り崩すことになった松伏町。町の運営に黄色信号が灯った形に。今後の「音楽のあるまちづくり」も岐路に立たされている。  3月いっぱいで同財団が指定管理者として、施設管理をしてきた中央公民館やB&G海洋センターなどから撤退。当分の間、同施設は町直営で運営する。

昨年12月に開かれた「吹奏楽フェス」
 
町は交付税の減額など財政難のため、平成17年度から同財団に補助金を支出していない。年間約850万円が音楽などの事業にかかっていた。これにより、同財団は運用資金が年々減少し、平成19年度以降の自主事業の実施・運営が困難な状況になっている。
 同財団の基本財産は町が出資した1億5000万円と同町文化振興事業団の5000万円と合わせて2億円。解散すれば、この2億円は町一般会計の財政調整基金に繰り入れる。
 財団から町直営で施設運営するメリットとして、同町の石塚雅司総務課長は「委託料に伴う消費税360万円と、財団理事報酬200万円が節約できる」としている。
 町に寄付される2億円の使途については「同財団の意思を尊重し、音楽などの文化事業に使っていきたい」(同町増田信夫企画財政課長)としている。
 同町の音楽によるまちづくりは平成元年にクラシック専用の田園ホール・エローラが完成オープンしたのを機に始まった。当初、文化庁の補助を受けながらコンサートを開催してきた。純農村だったこの町に新しい文化の灯がともった。当時、国から年間約2000万円もの補助を得て文化事業を展開。音楽鑑賞だけでなく、エローラ混声合唱団、エローラ少年少女合唱団を結成し、住民を巻き込んでの事業に弾みをつけた。しかし、バブル崩壊後、平成9年からは国からの補助金がカットされ事業も縮小された。町単独事業に変わり、以前のように毎月コンサートを開催することは不可能になった。
 財政難にあえぐ松伏町、昨年からは高齢者の福祉事業を一部やめるなど住民生活にも影響が出始めている。町の基金はすべて取り崩されており、財団解散でも起爆剤にはならない。松伏小の児童激増で新たな小学校建設が必要とされているがいまだめどが立っていないなど課題も多い。今後の町運営は明るい見通しがまったく見えない中、財団解散で得る2億円は貴重な町財産。そして「文化の灯」を消さないように町はアイデアを出すべきだろう。
  
(安部 匡一)