(草加市)
利用者のマナー違反横行・11月現在死者4人、ワースト1
草加署管内、自転車事故最悪
 昨年、埼玉県は自転車関連の死者数が不名誉な全国ワースト1(死者63人、負傷者1万6361人は3位)を記録し、その中でも草加警察署管内は県下警察署中ワースト1だった。今年も最悪のペースが続いており、11月末現在で同署管内の自転車関連事故の死傷者数は1025人(うち死者4人)と2位の上尾署管内(835人)に大差をつけている。
 


昨年の自転車事故の件数と原因
   近年、全国的に自転車利用者による事故が多発し、社会問題化している。全国的には1995年と2007年の比較では10年間で自転車関連事故は1・3倍、対歩行者4・6倍、対自動車1・2倍。全事故の約2割に相当。
 草加署の場合、全人身事故中の自転車関連事故の割合が37・2%(11月末現在)でこちらも県下ワースト1(2位は川口署の34・5%)、県平均25%を大きく上回る。その原因も自転車のマナーの悪さが目立つ。右側通行や信号無視、わき見運転といった安全不確認、一時不停止、ハンドル操作の誤りなど。交差点での事故が多く、関係者も高齢者と15歳以下が目立つ。同署では悪質な道交法違反などは検挙する方針で臨み、今年も2人に交通違反切符を切った。また、ルールやマナー違反は見つけ次第、レッドカード(警告書)を手渡し、10月末で3万5000枚に達した。しかし、こちらは罰則規定がないこともあり、常習者の歯止めになっているかは疑問符がつく。悪びれず何度も警告書をもらう自転車利用者もいる、という。  「自転車も道路交通法では軽車両として位置づけられ、違反は処罰対象になる。事故が増加しているのは人への思いやり、モラルの欠如が大きな要因」と草加署交通課では分析する。同署では、幼稚園や学校や企業など要請に応じて交通安全教室をほぼ毎日のように開催している。

 人口密集度や平地率(埼玉県は全国2位)、自転車保有数増加も自転車事故急増の要因ともされている。草加の場合、都市基盤整備が遅れ古い町並み、見通しの悪い道路構造の場所が多いことも一因のようだ。
 草加市市民安全課では「今年度から隔月で高齢者向け安全教室の開催、小学校全校で自転車のルール指導を行い児童に免許証交付などで安全意識づけを行っている。1月からは草加駅西口地区を自転車安全推進ロードとして啓発、街頭指導も実施する予定」、八潮市交通防災課では「全小学校や高齢者福祉施設での安全教室開催、街頭キャンペーンでの反射材取り付けなど。高齢者と児童のふれあい自転車大会も実施」とさまざまな事故防止対策を行っている。行政や学校との連携で交通安全教室開催頻度は多いが、中学・高校生や大人への安全指導が不足している面もあり、今後の課題になっている。
 警察庁の自転車対策懇談会ではこのほど「自転車の安全利用の促進に関する提言」を発表。これまで歩道内での歩行者の安全確保に配慮したルール整備、車道通行の原則を維持し自転車走行環境の整備、悪質、危険性の高い交通違反に対しての積極的検挙などが盛り込まれた。自転車同士での死亡事故も過去に例があり、ちょっとしたルール違反が自分のみならず他人を巻き込む悲惨な事故を引き起こすこともある。それぞれの心がけしだいともいえる。
(金子 貞雄)

 <主な自転車の道路交通法違反の罰則>
 ▽信号無視 3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金▽一時不停止 同▽夜間のライト点灯・反射材装備義務 5万円以下の罰金▽二人乗り等の禁止 5万円以下の罰金、2万円以下の罰金又は科料▽幼児や身障者の通行の保護 3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金▽並進の禁止 2万円以下の罰金又は科料 ▽手放し運転・ジグザグ運転・競争 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金