(越谷市)
道遠い医療費疑問符の経削減・広がり今一「ハッポちゃん体操」 健康づくり越谷市の今
 年輩の男性たちが、毎週木曜、保健センター前の広場に集まる。朝の冷気をついて始める風変わりな体操。
 

ハッポちゃん体操をするウオーキング会のメンバー(保健センター前で)
 
阿波踊りの節回しを取り入れた軽快な音楽に合わせて「背中を流す」「足を洗う」「手をぶらぶら」など日常の動作を取り入れ、見ている人も楽しい。越谷市の考案した「ハッポちゃん体操」だ。
 掛け声もさわやかに指導しているのが市の女性保健士。参加者の大半は地元のウォーキング団体「遊友クラブ」の人たち。「ウォーキング前の準備体操のつもりでやっています。体がほぐれてよく歩けます」と会員の白木秀明さん。
 越谷市は「越谷市健康づくり行動計画」(いきいき越谷21)を策定し、食生活、運動、たばこ、歯、心の健康(アルコールを含む)について目標領域を定め、生活習慣の改善による健康づくりを進めている。推進期間は平成15年から22年まで。市役所や医師会等各種団体が場や機会を提供して進めるもの。「ハッポちゃん体操」は上記項目中の運動の実践方法の一つ。    「いろいろと加工して行なうことの出来る体操です」と語るのは推進に当たる同市市民健康課の豊田正明課長。体の調子、年齢などに合わせて適度に調整できる。  マスコット「ハッポちゃん」のキャラクターは市民からの公募によるもの。 「ハッポちゃん」の名称から8のつく平日を普及の日として市の体育館や地区センター(公民館)で公開練習を実施している(保健センター前では毎週木曜)。お知らせは「広報こしがや」や地区センターだよりを通して行なっている。  「ハッポちゃん体操」を含む「いきいき越谷21」は、大きく見れば、国、地方を含む健康推進運動の流れの中に位置付けることが出来るが、まだ、予備段階というべきものだ。  平成20年より40歳以上を対象に健康診断と事後の生活指導が行政によって行なわれる。  少子高齢化と医療費の高騰が保険財政を圧迫している現状から、まず、医療費を抑制しようとするもの。  国は中高年の生活習慣病の予防を図ることによって30兆円を超える医療費を、なんとか削減したいと考えている。  実施については国のモデル(ガイドライン)が出されるのは来年春頃とのこと。これを受けて県、市町村が実施5ヵ年計画を立てて具体化して行く。「来年は忙しい年になる」(豊田課長)模様だ。  越谷市では削減の数値目標は検討中だが、国民健康保険で見ると平成15年度歳出は約240億円、17年度は264億円、2年間で24億円近く上がっている。 医療費抑制は大きな課題ではある。
 ところが、現段階で実施しているせっかくの「ハッポちゃん体操」は十分に普及していない。将来の生活習慣病予防、生活指導の難しさが予見される。   この体操の初公開は平成16年秋。昨年度は公開練習を41回行い、延べ2.551人が参加。高齢者が多かった。本年度の19回までの公開練習では65歳以上が54%である。  中年層、若年層に向けて幅を広げて行きたいところだ。それにはどうすべきか。
 「まだ、この体操を知らない市民の方がいるので、ぜひ、知らせて行きたい」と豊田課長。「あらゆる機会を通して紹介に努めたい。また、幼稚園、福祉センターでも実施してもらい、そこから親や家族にも知ってもらえれば」と同課の河村健治さんも意欲を示す。  6月4日の歯科健康フェアでは1.000人以上の参加者にデモンストレーションを行い、10月10日の市民体育祭でも行なった。
 同課はボランティアに推進役を期待して広報を通して普及委員を募集。現在約100名が応募している。中年の女性が多い。
 指導に当たっている保健士は「普及委員の方々に活動していただけるように働きかけていますが、まだ、十分にお任せできる状況ではありません」と語る。
 こうした市民対象の健康づくりの運動は広報、地区センターだよりを通しての呼びかけや平日のみの実施だけでは難しいのではないか。   勤めている人への働きかけには休日の利用も検討しなくてはならないだろう。また、職場との連携をどう進めるのか。市民の生活、特に働いている人たちの生活の実情に合わせた取り組みの工夫が求められる。  このような工夫は将来の生活習慣病予防の指導にも生かせるだろう。市の課題は大きい。
(加藤 誠一)

 
 「行政の掲げる健康増進運動」
 国民、市民の健康保持による医療費抑制への試みとして、国は、平成12年4月から「健康日本21」という運動をスタートさせた。食生活、運動、休養、たばこ、アルコール、歯、糖尿病、循環器病、がんの9項目にわたる健康づくり運動である。法制面では平成14年8月に「健康増進法」が公布された。埼玉県では具体的な数値目標を掲げた「すこやか彩の国21プラン」を平成13年10月に策定。食生活、運動、休養、たばこ、アルコール、歯の6領域で行動目標を示している。こうした動きの中で越谷市では「越谷市健康づくり行動計画」(いきいき越谷21)を策定した。