(草加市)
全国ワースト3脱出へあの手この手・浄化へ必死の市 蘇えるか、綾瀬川
 国土交通省が発表する全国一級河川の水質調査で、毎年ワースト3以内に入る不名誉な記録を続ける綾瀬川。
 草加市にとっては、市の中央部を流れ、まちのシンボルである草加松原が綾瀬川沿い1・5`にわたり立ち並ぶだけに浄化への意欲は高い。同省と埼玉県、流域の自治体、市民環境団体と協働でハード、ソフト両面からさまざまな活動を展開しているが、ワースト3からの脱却がなかなかできないもどかしさが続いている。
 


ワースト3脱却にむけて、取り組みが進む草加市
   同調査は、1974年から汚濁の指標となるBOD(生物化学的酸素要求量。微生物が水中の有機物を分解するときに消費される酸素量。イワナやヤマメの生息環境は1gあたり2_c以下、汚濁に強いコイやフナで5_c以下が必要とされる)値を公表しているもので、綾瀬川は最初からワースト1位で登場。80年から94年まで15年連続ワースト1の記録もある。毎年のように大和川(奈良・大阪)、鶴見川(神奈川)とワースト1争いを続けてきた。2004年は1位、05年は2位。  近年は事業系排水の規制強化、浄化槽普及促進などで70、80年代に比べ、水質はかなり改善されているのも事実。草加市環境課では「ワースト1などの数字が一人歩きしてしまい、市民には悪いイメージで捉えられている。水質自体はこれまでの努力でかなり改善されていることを知ってもらいたい」と強調する。 
 74年調査のBOD値は1gあたり27・5_cだったが、97年には9・1と一ケタ台に落ち、昨年調査分では、4・7と最悪期の約5分の1に減少している。同省の2か年、平均BOD値の改善状況調査(94・95年と2004・05年で比較)では11・1から5・2に下がり改善幅は5・9と大和川(改善幅5・5)、鶴見川(同2.3)を抑え全国ベスト1でもある。
  綾瀬川の汚れは現在、生活系排水(65・2%)が事業系(34・8%)を上回る=03年度清流ルネッサンスU資料より=。水源がない川だけに工場の減少や下水道普及が現在では、逆に水量減少となり汚れに拍車をかける一因にもなっている。効果的な生活排水対策とされる下水道普及率は足立区では100%実施済みだが、草加市では昨年度末で84%。厳しい市財政に負担をかけながら実施していくほかはない。
 同省、埼玉県、綾瀬川流域自治体2区9市1町で構成する「清流ルネッサンスU地域協議会」では2010年度までにBOD値5_c以下、透視度50センチ以上などの目標を掲げ、水路の浚渫(しゅんせつ)や浄化施設の設置、河川清掃、荒川からの浄化用水導入などの浄化対策事業に力を入れる。
 草加市内の浄化施設は現在4か所あり、一日あたり2万6000dを処理している。荒川からの浄化用水導入事業は特効薬として、03年7月から実施も10日で停止。昨年3月から再開も施設の故障が続き、8月以降休止状態。再開(来年1月予定)への期待は大きい。  「それぞれ単独では切り札とはなりえないが、いくつかの合せ技で浄化していくしか方法はない。家庭で調理後の鍋や皿に残った油をふき取るだけでも大きく浄化に効果があることを皆さんに理解してもらいたい。BOD値は目標に届いたので維持していきたい」と同環境課。綾瀬川のワースト3からの脱却への道のりはまだまだ長い。GJ(金子 貞雄)

 
<綾瀬川>埼玉県桶川市を起点にした中川の支川で、埼玉県南部の低地から東京都東部の9市1町2区を流域とし、葛飾区で中川と合流し東京湾に流入する総延長47・6`の一級河川。江戸期から戦後間もない頃まで水運も盛んだった。綾瀬川は山岳地域の川と違い水源がなく、歴史的に雨水や農業用水の落とし水を水源としてきたため、流域の都市化が進み田んぼが減少、かわって生活排水、工場排水の流入増加により水質が悪化してきた経緯がある。