(越谷市)
不安募る年金生活者・財源確保で75歳以上切り離す 国保新制度、光か影か
 社会保障にかかわる負担が増えている。一般税の控除枠の縮小が国民健康保険、介護保険に大きく影響している。国民健康保険は医療分と介護保険分(40〜64歳)から成り立っているが、65歳になると介護保険分に代わって別途に介護保険料を納付することになる。年金需給の高齢者にとっては一段と重い。
 

越谷市役所には毎日多くの市民が国保の相談に訪れている
 
越谷市内に住む72歳の女性が「年金で暮らす身にとっては、納付額の上昇はとても気がかりです」と嘆くのは、介護保険料だ。
 65歳以上の被保険者には、介護保険料納付額の基準になる所得段階が設定されているが、本年から所得額による区分が5段階から6段階になった上、どの段階も増額になった。そのため、この女性の場合、昨年は2万4.370円だったが、今年は3万3.000円になった。来年3万9.000円、再来年4万5.000円と膨らむことになる。  もともとの保険納付額(医療分)についても、この先、増える。前出の女性の納付額は今年1万2.600円だ。再来年には現在の3倍強の3万9.486円の負担増。再来年には国保納付額と介護保険料の双方で合計8万4.486円を支払うことになる。  介護、国保の納付額が増えるのは、納付額算定の土台になる一般税の控除枠が縮小されたためだ。前出の女性は、年金受給額162万1.800円。再来年になると国保、介護保険料の納付額は約5%にもなる。「なんとか改善できないものか」とため息をつく。  一方で医療設備、技術の向上による医療費の高騰、高齢者人口の増加が保険財政を圧迫しているのも事実。しかも、高齢者の医療費は当然多く、75歳以上になると一人当たり82万円以上と言われる。
 そこで、国は再来年(平成20年)から後期高齢者医療制度を新たに設け、75歳以上の人は国保等から切り離し、この制度に移行。行政の負担を軽減させるという。
 昨年、一般会計から9億円の補てんを余儀なくされた越谷市。国保担当者は「医療制度改革の効果に期待しています」と言うが、市の負担が減る保証はどこにもない。新制度の保険料率は未定だ。納付税額算定の土台になる一般税の控除枠の縮小を見ると、保険料率が見えないだけに不安だ。
(加藤誠一)