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なぜ?「校医」が大量辞任・小中学校の「健康診断」に影響も

2016.6.6(吉川市)
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 吉川市の小中学校の校医全16人中10人が、3月末一斉に辞任した。同時に「介護認定審査会」の審査委員の医師8人中5人も辞任した。いずれも同市が校医や委員を委嘱する吉川松伏医師会(平井真実会長、会員74人)の会員。医師会側は「多忙」を理由にあげている。この異常事態で、小学校の健康診断が当日中止になるなど、全11校の健診に影響が出ており、介護認定審査への影響も懸念される。同市と医師会は「6月末までに全校の健診を終える」としているが、「校医の大量辞任など聞いたことがない」と県教育委員会保健体育課は驚き、同市教委を指導するという。突然の異常事態の背景には、中原恵人市長と医師会側の確執があるとされるが、”市民不在”の騒ぎに批判の声が出そうだ。

 今年3月末、同医師会は市教委学校教育課に対し、校医10人の「退任願い」を提出した。理由は「一身上の都合」。任期は2年で昨年4月から来年3月までの予定だった。

医師会側は「校医は忙しい診療の合間、昼休み時間などを割いて、健康診断のため学校に行く。複数掛け持ちもいて、以前から『校医は大変』との声があった」と話し、「多忙」が主な理由としている。

退任願いを受理した市教委と医師会は、「学校保健安全法規則」に基づいて、残る医師6人で、全小中学校の健康診断を6月末までに終えるよう、スケジュールを変更したという。

しかし、市立栄小学校(佐藤勝俊校長、児童939人)では、5月6日の2年生の健康診断が、当日になって「医師の都合が悪い」と連絡があり、キャンセルになった。「当日のキャンセルにはびっくりした。急きょ、予定にない授業を行った。大きな混乱はない」としながらも、健康診断の終了時期は遅れざるを得ないという。
 市教委の清水孝二・教育部副部長は「現在、6人の校医が健診をしている。医師会は6月末までに終えるというので様子を見ている。今のところ保護者からの苦情はない」という。
 一方、要介護認定申請者の” 要介護度”を審査判定する「介護認定審査会」は市条例で委員20人以内とされ、現在、委員15人。医師は判定作業の重要な役割を担う。
 同市の櫻井敬雄・いきいき推進課長は「5人の委員が退任しても、運営に支障はない。新たな医師1人の推薦もいただいている。今後も審査判定が滞ることがないようにしたい」と話す。
 同医師会の箕輪晋治・事務長は「市や市教委から委嘱を受けて協力している。今後も行政と連携して協力していく」と大量退任に問題ないとの立場だが、中原市長は「子どもたちの健康、安全を第一に考え、6月末までに健康診断を終えるように調整している。校医一人ひとりの負担がかなり大きい」と苦渋の表情だ。
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