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古関さんの直筆譜面を発見・普門寺で、八潮南高校歌、手紙も

2020.8.10(八潮市)
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 作曲家、古関裕而さん(1909――89年)の直筆の譜面(県立八潮南高校校歌)と手紙が、このほど 八潮市南川崎の普門寺で見つかった。同市のNPO法人「八潮市域の歴史文化とまちづくり」の秋山憲禮会長(72)と、県立八潮南高校の伊藤孝人校長(53)、同寺の29代住職の清水義英(ルビ・ぎえい)さん(40)の3人が確認した。数々の名曲を手がけた古関さんは校歌も多数作曲し、県内では12校作曲し、うち5校は八潮市。背景には、NHK連続テレビ小説「エール」のモデルの古関さんと、同寺の先々代住職との交流があり、秋山会長らは「八潮の新しい魅力を伝える鍵になるのでは」と話している。

 発見された手紙と県立八潮南高校校歌の譜面は、古関さんが、普門寺の先々代住職で現住職の祖父、清水義潔(ルビ・ぎけつ)さん(1987年、73歳で死去)宛てに、1985年7月16日付で同封されている。 

 義潔さんは市立第四小学校(現・大曽根小)の初代校長などを務め、同小や八潮南高校の校歌の歌詞も手がけた。

 義英さんは「正確な時代はわからないが、学生時代、祖父は音楽が好きで古関さんにピアノを習っていた。その関係から校歌の作曲を依頼したのではないか」と話す。手紙には「大変遅くなりました。長い歌詞で少々作り難(ルビ・がた)かった。生徒諸君にも宜(ルビ・よろ)しくお伝え下さい」と校歌完成の報告があり、共通の友人を弔う内容も記載されていた。

 封筒には、東京都世田谷区の住所や連絡先が捺印されている。料金不足で一度古関さんに返送されていた。

 古関さんは1964年の東京オリンピックの選手入場行進曲「オリンピックマーチ」や、全国高校野球選手権大会歌「栄冠は君に輝く」など生涯で5000曲を超える作曲をしている。古関裕而記念館(福島県福島市)によると、埼玉県内の12の小中高校の校歌を作曲している(現在歌われていないものもある)。うち八潮市立第四小学校(現・大曽根小)、第六小学校(現・中川小)、八潮中学校、第五中学校(現・潮止中)、県立八潮南高校の計5校の校歌を作っている。

   譜面を見た伊藤校長は「直筆の譜面を拝見し、13代目の校長として感謝しかない。今後は子どもたちに由来を伝え、大切に歌っていきたい」と八潮と古関さんの因縁に感慨深そうだった。また、同市立大曽根小の須賀祐之校長(53)も「周りの人に校歌のことを知ってもらい、さらに愛着を深めてもらいたい」と話していた。

 義英さんは「9月5日の祖父の33回忌で報告したい」という。秋山会長は「義潔さんが校歌を作詞し、古関さんが作曲したという事実が証明された。これらの歴史を後世に正しく残すことが、まちの魅力を伝える鍵になる」と貴重な発見を喜んでいる。
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