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助産師さんに大臣表彰・直井さんの「いのちの授業」好評

2019.12.16(八潮市)
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 八潮市内の中学校で、かけがえのない命や生きることの尊さを伝える「いのちの授業」を続けてきた、助産師、直井亜紀さん(49)(同市大曽根)がこのほど、「内閣府特命担当大臣賞」(子供・若者育成支援部門)を受賞した。直井さんの特別授業が、「家族や未来、自分自身の命を見つめる内容」として、高く評価された。直井さんは「助産師として関わった赤ちゃんや母親から多くのことを学んだ。仲間や市教委の方々が私の活動を理解し、支えてくれたことが受賞につながった」とし、「今後の活動の励みになる」と話している。

 同賞は、内閣府が子どもや若者を支援育成する活動と子育て、子育てを担う家族を支援する活動に顕著な功績があった企業、団体、個人を表彰するもの。11月21日、内閣府講堂(東京都千代田区)で行われた表彰式では、同部門で5件、個人では直井さんら2人が表彰された。

 直井さんの「いのちの授業」は、2010年度から始まり、翌11年度からは市内全5校の中学校全クラスの必修授業に組み込まれている。授業は、性の知識だけでなく、命、家族、生きることについて、「子どもたち自身が考え、感じる授業を」と直井さんが同市教育委員会に提案して実現した。

 助産師の授業が公立中学の必修授業になっているのは、全国的にもほとんど例がないという。

 何度も練り直したという授業では、実際に子どもたちに生後数か月の赤ちゃんを抱かせる“触れ合い体験”も取り入れている。中には涙を流す子どもたちもいるという。

 こうした授業が、“命の尊さ”や、自分自身を見つめるものとして、「他者を認める心の育成」「自己肯定感を高める」「いじめ予防」「望まない妊娠や性犯罪予防」「自殺や虐待の予防」――につながる活動として高い評価を得た。

 18年には受賞者が全国でわずかに15人という「母子衛生研究会」(東京都千代田区主催)の「第39回母子保健奨励賞」も受賞している。

 直井さんは、09年に「さら助産院」を開業してから、

「いのちの授業」のほか、「女性の一生に寄り添う助産師でありたい」として、母乳育児指導や育児クラスなど産後ケアや、お笑い芸人の「くわばたりえ」さんを招いた「トークライブ」で、育児中の母親を支援するなど地域に密着した助産師活動を行っている。

 「自身の妊娠、出産、子育ての経験から『こんなことがあったらいいな』と思ったことを一つずつ形にしてきただけ」という直井さんは、「受賞した後で、すごい賞と知って大変驚いた」と話し、「赤ちゃんを連れた“赤ちゃんバスツアー”など、今後もやりたいことがいっぱいある」と、助産師活動のさらなる飛躍に夢を膨らませている。
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