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学校受水槽に蛇口を・災害時の水を確保

2018.3.19(八潮市)
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 八潮市は、大規模災害時に飲料用水や生活用水を確保するため、今年度から4か年計画で市内の小中学校の受水タンクに「蛇口」を取り付けている。断水や道路寸断などで避難所には給水車も行けないケースも想定される。このため、指定避難所でもある小中学校の受水タンクを活用しようというもの。同市危機管理防災課は「学校の受水槽を貯水タンクとして活用しない手はない。低コストで整備できるメリットは大きい」と話す。受水タンクへの蛇口付設は、県内では草加市や戸田市などが実施しているだけで、まだ珍しいという。

 同市は災害時に断水した場合、南部配水場や八條小学校の耐震性貯水槽(100d)をはじめ、各地域の給水拠点から住民に応急給水することを想定している。最大の被害が予測される東京湾北部地震では、県の調査によると市内で4545人の避難者が想定されるため、3日分の飲料用ペットボトル約9100本、約12d分を学校などに備蓄している。

 市は、さまざまな手段での水の確保を模索する中で、草加市が学校の受水タンクに蛇口を取り付けていることを知り、そのアイデア導入することに決めた。給水車は空になるまで給水拠点を動けず、道路が寸断されると給水拠点に行けないケースが出てくる。受水タンクは電力がストップすると配水できないが、「蛇口をつけるだけで動力なしでタンクにたまっている水を活用できることに着目した」(市危機管理防災課)という。東日本大震災以降、校舎屋上にあった受水タンクが地上に設置されるようになり、整備費も1か所約80万円と低コストのメリットもある。

 草加市は2014年度から3年継続事業で全22小中学校の受水タンクに蛇口を取り付けた。同市危機管理課は「都内の防災対策の研修で事例報告があり、低コストのいいアイデアだと採用した」という。

 八潮市は、大曽根小には耐震化工事の際に、13_口径の蛇口を付設しており、今年度から14校に整備する。今年度は324万円の予算で、潮止、中川、柳之宮小、八條中の4小中学校で蛇口を取り付けた。新年度は3小学校に整備するため、413万5000円の予算案を計上した。2020年度に全校整備されると、確保した水量の総計は約290d分になる。タンクには、給水車から補充でき。状況によっては「貯水タンク」の役割も担う。

 同市内の小中学校のタンク容量は8〜30d。仕切弁付きの20_口径の蛇口を取り付け、ひねると水圧だけで水が出る。蛇口に応急用の分配ホースを取り付け、簡易蛇口を4〜6個取り付けると一度に複数の人が洗顔や歯磨きなどに使える。

 恩田秋弘・危機管理防災課長は「今後は地元自治会・町会と防災訓練の時などに使えるように管理方法を検討していきたい」と話している。
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