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曲がるLED照明パネル考案・「ワイ・エス・エム」が渋沢栄一賞

2017.5.29(八潮市)
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 八潮市二丁目のLED照明器具・導光板製造業「ワイ・エス・エム」(八島哲也社長、従業員5人)が考案した製品「FFLP(フレキシブル・フラット・ライト・パネル)」がこのほど、県主催の「第6回渋沢栄一ビジネス大賞」の「ベンチャースピリット部門特別賞」を受賞した。「FFLP」は、曲がる板状の照明パネル。発光面を曲面にする場合には、これまで金型や木型を作って成形しなければならなかったが、「FFLP」は工程やコストを大幅に改善できるという。同社の独創性にあふれた技術開発が高く評価されたもので、同社は今回の受賞を機に「海外へも事業展開したい」と意気込んでいる。

 「FFLP」は、発光面となるアクリル板を独特の技術で、平面から曲面に変えて、バラエティに富んだLED照明を可能にした製品。アクリル板に熱で切れ目を入れて、その切れ目により板を曲げるというもの。

 「特に、アクリル板の切れ目の間隔や厚さ、切れ目に加える熱量のバランスなどに苦労した」(八島社長)という。熱量が少ないと切れ目ができず、多いとアクリル板が変形してしまう。切れ目の間隔が広過ぎると曲がらず、狭過ぎるともろくなる。厚さによって光の拡散性も変わる―こうした難点を約2か月にわたる粘り強い試行錯誤で克服した。使用するLEDは白色だが、アクリル板の色を変えて、さまざまなカラー表現ができる。

 アクリル板を曲面にするには従来、金型や木型による成形が必須だったが、「FFLP」だと、工程やコストが大幅に改善できた。

 同社は1992年の創業。マンション向けインターフォンユニットなどの建築金物を主力にしてきた。しかし、リーマンショックなどから業績不振となり、2010年には、叔父である先代社長が急死し、当時、従業員だった八島社長が28歳で跡を継いだ。新社長は、建築金物から特注照明などへ事業の方向を変えていった。

 起爆剤は、ノートパソコンなどにも使われている、光を面全体に均一に拡散させる「導光板」の開発。柔軟なオーダーに対応できる製品を開発し、JR九州の周遊型臨時寝台列車(クルーズトレイン)「ななつぼし」の照明に採用され、受注が拡大した。空間をやわらかく演出するリング状の照明インテリアは、中高年男性の人気を呼んだ。

 「FFLP」は、そうした創意工夫の延長に生まれもので、八島社長は「『FFLP』を将来のコア事業とし、海外展開も視野に入れている」と夢を広げる。

 渋沢栄一賞は、郷土の偉人の顕彰と企業の社会貢献活動の促進を目的に、県が2000年度から設け、同ビジネス大賞は渋沢栄一賞とは別に11年度に新設された。「渋沢栄一ビジネス大賞」は、「ベンチャースピリット部門」のほか「テクノロジー部門」がある。
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