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「歴史を再認識した地名を」・地名と地域おこしシンポ

2016.6.6(八潮市)
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 シンポジウム「地名と地域おこし〜歴史と地名の生かし方〜」が5月22日、八潮市の八潮メセナ・アネックス(同市民文化会館駅前分館)で開かれた。

 地名の意味や意義について、市民に知ってもらおうと、「八潮の地名から学ぶ会」(秋山憲禮会長、会員75人)。が主催し、約40人が集まった。
 講師は一般社団法人「日本地図センター」客員研究員の今尾恵介さん(56)。地図研究家として、テレビ番組などに出演している今尾さんは、まず、同市にある日本唯一の地名「垳(がけ)」について語った。
昔の人たちが、土地を大切にして、漢字をうまく当てて来た例として、「垳」のほか各地に、「崖(高台なども含む)」由来の地名の「吹上(埼玉、大分など)=風が吹き上げる場所」、「崖=まま(急な傾斜地)」から「大間々(群馬)、間々田(栃木)」、さらには「かけ=崖の下の意味」から「加計塚、景丘町(東京)」といった地名がある、と述べた。
また、今尾さんは、職業由来の地名として、「鍛冶町(青森、千葉、群馬など)、大工町(茨城、静岡)」、工業関係の「銀座(東京ほか日本全国)、多々良(群馬、福岡など)、金吹町(栃木、京都など)」、宗教系の「弁天町(北海道、東京、愛知など)、神田(東京ほか日本全国)、諏訪(青森、茨城、埼玉など)」などをあげた。
また、「浮気町(滋賀県)」といった地名がスクリーンに映し出されると、会場は大爆笑。ただし、由来は「水がわいている場所」の意味で、読み方も「浮気(ふけ)。時の流れとともに、思いも寄らない意味が付加された好例という。
 同市八潮の西森八重子さん(81)は「市民大学で地域の歴史を勉強してきたが、地名は気にしていなかった。由来を知ることができて大変勉強になった」と話していた。
 また、JR武蔵野線「新三郷駅」の住所「埼玉県三郷市新三郷ららシティ」や、北海道当別町にある「スウェーデンヒルズ」などは瑞祥地名(戦後)に当たるという。この「瑞祥地名に見られる、区画整理に伴う“手荒な改名”は、日本古来の土地の意味自体が消えてしまう原因となるので、反省しなくてはいけない。見てくれやイメージの良い名前だけを求めるのではなく、土地の歴史を再認識した地名の存続を今後も続けてほしい」と、今尾さんは警鐘を鳴らしていた。
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