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「ごみ屋敷」を行政代執行も可能へ・県内初の試み6月議会へ提案

2016.2.22(八潮市)
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 八潮市はこのほど、社会問題化する「空き家」への法律に基づく対策だけではなく、市独自の「ごみ屋敷」や「老朽建築物」対策を盛り込んだ「まちの景観と空家等対策計画」を策定した。衛生面や景観上の問題、危険など周囲に迷惑を及ぼしている「ごみ屋敷」や「老朽建築物」の所有者に、市長が改善指導や勧告・命令を出せるというもので、従わない場合は行政代執行を行うことができる。ごみ屋敷までを対象とした取り組みは県内では初めて。市は同計画をホームページなどで公開し、3月10日まで、“パブリックコメント”(市民からの意見募集)を実施し、同対策条例案を市議会6月定例会に提出する。

 同市内の空き家数は3210戸、空き家率は8・7%(2013年、総務省調査)。空き家率は県内では低い方だが、腐朽・破損の「不良空き家」は1020戸。築25年以上が全体の約4割を占め、10年後には築35年以上が全体の半数近くになる“老朽化ラッシュ”が見込まれている。  空き家が地域社会に深刻な影響を与えている中で、国の「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下空家特措法)が昨年5月から全面施行され、市町村の責務が位置付けられた。このため同市は、公募した市民はじめ、法務、不動産関係者らによる協議会を設置して検討を重ね、今回の計画を策定した。

 計画では放置すれば倒壊の危険や悪臭、害虫の発生など衛生上有害の怖れのある建築物や敷地を「特定空家等」とし、居住や使用していても、現状では空家特措法の規制対象外の「ごみ屋敷」や「老朽化建築物」を、市独自に「特定居住物件等」と定義し、対策対象とした。その認定は、今後設置する審議会が行い、改善指導や勧告、命令、行政代執行の妥当性などを判断する。  また、@市民に周知、啓発して、ごみ屋敷などの発生を抑制する「予防対策」A空き家などをコミュニティー活動の地域資源とする「活用・流通対策」B認定前でも倒壊などの危険がある場合、緊急回避や安全措置を講ずる「管理不全対策」―を計画の基本方針の3本柱としている。

 さらに、地域全体の課題とするため、地域、行政、関係団体の連携や対策を総合的に進める「まちづくりセンター」(仮称)の設置を視野に入れている。相談窓口の設置や、ごみ屋敷の所有者への助言やカウンセリングなども行っていく。  同市の実態調査では市内の「ごみ屋敷」は3軒あり、「空き家」は149軒で、うち92軒が一部破損などの「老朽家屋」だった。今後も詳しく調査していく方針。同市都市デザイン課は「まだ深刻な状態にはなっていないが、今後、空き家や老朽家屋が増加する怖れがある。先手を打った計画と条例で、予防効果を期待したい」としている。
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