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昭和30年代の車など展示・八潮のものづくり展

2014.2.10(八潮市)
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 第31回企画展「八潮のものづくり展」は3月2日まで、市立資料館(南後谷753の50)で開催中。
 八潮のものづくりは、水運の便や大消費地の江戸・東京に近い恵まれた立地を背景に、発達した。今回の企画展では、八潮の製造業がたどってきた歴史を、江戸期からの中川、綾瀬川の舟運やトラック輸送などの物資輸送を軸に焦点を当てた。
 八潮のものづくりは、江戸時代後期ごろから農閑期や農作業の合間の副業として始まった。製造工程や製品運搬などで、川・水との関わりが深い。代表的な産業のひとつ、長板中型染、注染(ちゅうせん)といった染色業は、当時高級品だった「岩槻木綿」の産地が近かったことや川に囲まれ、さらしに必要な豊富な水があったことから発展、紺屋、型付け職など最盛期の昭和30年代頃までは関連の職人も多かった。白玉粉は、原料となる「三次郎」「太郎兵衛」といったもち米が周辺で栽培が盛んで、生産工程でも大量の水が必要だったことが背景にある。今でも八潮の白玉は全国有数の産地でもある。近代以降は、レンガの材料となる良質の荒木田土(あらきだど)が明治期に中川河川敷などから採掘されたことから、大正期にレンガ工場が進出し最盛期には潮止、八條地区に3社あった。原料運搬や消費地の東京への製品出荷のため、回漕船などが利用された。最盛期、生産高が当時の八幡村の中で7割を占めたレンガは、1923年(大正12年)の関東大震災や景気の乱高下でしだいに衰退していった。
 江戸期から物資輸送を支えてきた水運は、昭和30年代に入るとモータリゼーションの発達でトラック輸送が本格化した。八潮村工場誘致条例の施行で工場進出が活発化し、現在の住工混在の都市景観が形成された。
 展示は「ものづくりの歴史」「近世のものづくり」「新しい産業の芽生え」の3つを、文書や絵画、加須市の所有者が提供した今も現役の昭和37年製のダイハツミゼット(実物)を資料館1階ロビーに展示したほか、伝馬船6分の1模型、古利根川筋中川絵通絵図、長板中型染道具類、船大工の道具類、深谷市教育委員会所蔵のレンガ工場で使われた道具類など148点の各種資料で展示構成した。
 同資料館は「八潮は農村の急激な都市化という側面だけでなく、早い段階から農業以外の製造業が根付き、日本の消費経済を支えていたことがわかる」という。23日午後1時30分〜2時、学芸員によるギャラリートークがある。
 入場無料。午前9時〜午後5時開館。月曜日は休館。
 <問い合わせ>八潮市立資料館TEL997・6666。

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