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吉川さんの「華風雅」1位・江戸切子新作展「ミツワ」の職人

2020.4. 20(草加市)
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 「江戸切子(ルビ・えどきりこ)」職人の技術研さんの場として開かれている「第32回江戸切子新作展」(江戸切子協同組合主催、経済産業省など後援)で、草加市小山の「ミツワ硝子工芸」の吉川(ルビ・きっかわ)太郎さん(32)が制作した大皿「華風雅(ルビ・かふうみやび)」が第1位の経済産業省製造産業局長賞を受賞した。同社は3年連続で、第1位に輝く快挙で、今回は吉川さんのほか、3人が入賞した。同社は「職人同士で競い合い、切磋琢磨(ルビ・せっさたくま)した結果」と喜んでいる。展示会は1日から東京都台東区の「東急プラザ銀座」で開かれていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、残念ながら中止となった。

 ミツワ硝子工芸は、1971年(昭和46年)創業。林代表取締役の祖父の代の93年(平成5年)頃から、江戸切子の自社製造を手がけ始めた。現在、硝子工房「彩鳳(ルビ・さいほう」のブランドで、11人の職人が伝統文様や現代風の表現、デザインを取り入れた江戸切子を製造している。

 同社は一から職人を育成する環境を整え、現在、3人が経済産業省の「日本の伝統工芸士」に認定され、若手の育成に力を注いでいる。

 同新作展は、若手、ベテランを問わずに、経験を積んだ技術を生かし、創意工夫した表現やデザインを凝らした新作を制作、発表する場。同社は例年、6、7人が応募している。

 今回、第1位となった吉川さんは、キャリア11年目。昨年の第2位からステップアップし、初の1位獲得だ。受賞作の「華風雅」は、紫色のガラスから主に「菊繋ぎ」、「菊と籠目」など4つの伝統文様を組み合わせて削り出し、約2か月かけて完成させた。吉川さんは「曲線を均等に正確に削り、1本に見えるようにした部分が一番難しかった。イメージ通りの納得できる作品。さらに精度をあげた作品に挑戦したい」と喜ぶ。

 「東京都知事賞(第3位)」には石塚春樹さん(38)の花器「TEMARI(てまり)」が輝いた。青いガラスを下地に、布切れを編み込んだようなデザイン。石塚さんは「日本の伝統工芸士」となって6年目。昨年は第1位を獲得。「線を1本1本均一にし、六角形でつなげた部分に一番集中した。だれもが驚くようなものを作りさらに進化したい」と話す。

 「東京都産業労働局長賞」を花器「花冠」で受賞したのは、キャリア7年目の山王丸まゆみさん(29)。緑色のガラスでブラックベリーの花、実、葉のモチーフを表現した花切子。「花言葉『あなたとともに』をイメージ、幸福を呼ぶカスミ草もあしらい、リアルに見えるよう細かく再現できた」という。

 また、「江戸切子親善大使坂崎賞」は、山田のゆりさん(36)の花器「peace(ぴーす)」。キャリア13年目で今年2月、「日本の伝統工芸士」に認定された。青いガラスで、平和をテーマに、ハトがオリーブを加え羽ばたいているデザイン。「具象のデザインは初めて、江戸切子の良さを残しながら斬新なデザインに挑戦したい」と話した。
 林恭輔・代表取締役(29)は「受賞を機にそれぞれの技術が向上している。新しいデザイン、表現を彩鳳ブランドの製品づくりに生かしたい」と快挙を喜んでいる。
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