トップニュース

悩める介護者の実態・「ケアラーシンポジウム」開催

2020.2.24(草加市)
ニュース写真
 高齢者や障害者の家族などを無償で介護する“ケアラー(介護者)”が増加している。介護や看病のために仕事を辞めざるを得ない「介護離職者」は年間10万人を超えるといわれ、10代から30代の「ヤングケアラー(若年介護者)」も増加し、「介護退学」を迫られる学生もいる。13日、草加市立中央公民館で同市初の「ケアラーシンポジウム」が開かれた。シンポジウムでは、「介護と育児の両方を抱えたケアラー」など深刻な状況を訴え、「支援」を求める声が相次いだ。高齢化が急速に進む中、行政や地域が連携した「介護者支援」が急務の現状が浮き彫りになった。

 ケアラーとは「無償の介護者」を意味する言葉。家族にケアを要する人がいる場合、家事や家族の世話、介護のサポートなどを行わざるを得ない「ヤングケアラー」と呼ばれる18歳未満の子どもたちも増えているという。

 ケアラーの中には、時間的、経済的、精神的に拘束され、時には離職や退学などに追い込まれて、ケアラー自身も健康を害して、社会的に孤立してしまうケースもある。

 13日に開かれた「介護者の支援を考える ケアラーシンポジウム」には、介護経験者ら約170人が参加し、ケアラーが抱えている問題や課題について率直な意見を交わした。

 基調講演では「ケアラーに社会的支援を」と題して、「日本ケアラー連盟」代表理事で、日本女子大学名誉教授の堀越栄子さんが、ケアラーの現状や課題、支援方法、国や自治体などの動向などについて話した。

 講演の後のパネルディスカッションは、「私たちが見たケアラー・ケアラーが求めるもの」のテーマで、堀越さんのほか、同市内の介護・看護経験者や支援者4人がパネリストとなって意見を交わした。

 この中で、パネリストたちからは、「自身がケアラーだとは気付いていない人もいる」という指摘があり、「同じ様な悩みを抱えているケアラーが集まる場所があるということを知らない人も多い」との声が出た。

 また、「介護と育児のダブルケアで、疲れ切っている」ダブルケアラーの問題を深刻化しているとの報告があり、「介護者の負担を少しでも軽くしたい」との痛切な訴えが注目を浴びた。

 シンポジウムに耳を傾けていた吉川市の介護者支援グループのメンバー3人は、「ケアラーの居場所づくりと、そのための広報が必要不可欠」と強調し、「拘束力のあるケアラー支援の条例づくりが先決だと思う。条例ができれば、地域の福祉推進に役立つ」「みんなでケアラーを応援していきたい」とそれぞれ力を込めて話していた。

 出席した浅井昌志市長が「県議会で介護者を支援する条例『県ケアラー支援条例』が議員発議で提出されるという。条例が制定されれば全国初」とし、「草加市としても包括支援体制を強化し、地域の福祉推進につなげたい」と述べた。
>戻る