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「いじめ防止アプリ」導入・草加市教委、匿名で相談や報告

2018.6.18(草加市)
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 草加市教育委員会はこのほど、いじめを受けたり、目撃した中学生らが、スマートフォンを通じて、直接、教育委員会に相談や報告ができるシステムを導入した。学校名は分かるが、匿名性は保たれる。システムは、米国で開発された、スマートフォン用アプリの「「STOPit(ストップイット)」。いじめの画像や動画、「助けて」といった訴えが届くと、教育委員会側は速やかに学校側に連絡し、対応策を協議する。同市教委は、このシステムを生徒に体験し、理解してもらおうと、先月から市内全11中学校で1年生を対象に「脱・傍観者プログラム」と名づけた授業を行っている。こうしたアプリを導入した「いじめ防止対策」は県内初の試みという。

 草加市教委が導入したアプリ「STOPit(ストップイット)」は、米国で開発されたものを昨年5月、日本のソフト開発会社「ストップイットジャパン」(谷山大三郎代表取締役、東京都中央区)が、千葉大教育学部と連携し、NPO法人「企業教育研究会」などの協力を得て、日本向けアプリに改良した。

 このアプリをスマートファンやパソコンにダウンロードして、各中学校のパスワードを入力すると、画像や動画を添付した通報や助けを求めるメッセージなどを発信できる。メッセージを受けとった同市教委は学校名を特定できるものの、個人名は特定できない。市内の全中学校の1年生約2000人分のアプリ登録代64万8000円を同市教委が負担している。

 9日、同市立栄中学校(土谷昌秋校長、生徒519人)で、1年生161人を対象に「脱・傍観者プログラム(STOPit)」の授業が、「企業教育研究会」職員と同中教諭による“ティームティーチング”(外部の講師と複数で教える)形式でクラスごとに行われた。

 テーマは「いじめを止めるには、被害者だけではなく、聴衆・傍観者たちが報告することが重要で、その一歩を踏み出す勇気」。

 授業では、男子生徒がSNS上で悪口を書き込まれ、やがてクラスでも孤立していく動画を鑑賞し、「自分ならどうするか」を生徒たちに考えさせた。

 あるクラスでは32人中、「SNSに止めるように書き込みをする」と答えたのが17人、「何もしない」が15人だった。理由は「いじめがひどくなったら後で後悔する」「自分がターゲットになるかもしれない」など。

 その後、「何もしない」と中傷はひどくなり、対象者はさらに孤立するが、止めるよう書き込むと、賛同意見が増え、いじめは収まっていく―結末の映像が流された。

 見て見ぬふりをするといじめは進む。授業を受けた、北村環さん(12)は「行動することが大切だと思った。まずは母に相談し、できなかったらアプリを使う」と話していた。土谷校長は「この授業を周りで見ている人たち(傍観者)が、いじめを起こしにくい雰囲気を作る機会にしてほしい」と話していた。

 同市教委は3年がかりで市内の全中学生に、アプリがいきわたるようにする方針で、「いじめ問題に対し、的確かつ迅速に対応するよう取り組んでいく」(指導課)としている。
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