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空き店舗、居酒屋に変身・コミューニティーの核に

2017.4.24(草加市)
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 まちのリノベーション(再開発)を目的に、草加市が主催した“起業塾”の卒業生の第1号店がこのほど、市内住吉の空き店舗を利用してオープンした。洋風居酒屋「スバル」。店主は地元出身の田中昴さん(35)。飲食業界で働きながら、開店の夢を実現させようと、昨年11月、同市が起業希望者に呼びかけた「第1回リノベーションスクール@そうか」に参加。現場調査や仲間たちとの討議を経て、提出した事業提案が、空き店舗の所有者らの賛同を得て、開店にこぎつけたもの。第1号店の誕生に、同市は「まちのコミュニティーの核に」と期待している。

 オープンした「スバル」は、寿司店(2階建て)の空き店舗の1階(約33平方b)。カウンター席9席と4人席のテーブル席が2つのこじんまりした店で、カウンターの1枚板に旧店の名残りがある。

 店主の田中さんは同市生まれ。高校時代に調理師免許を取得し、辻調理師専門学校(大阪市)で学んだ。卒業後、八潮市内のケーキ店や東京都内のレストランなどで約15年間、腕を磨いてきた。「いつかは自分の店を」との思いを抱きながら。

 そんな中、同市は昨年11月、草加駅東口の旧日光街道沿いの遊休不動産を対象に、起業希望者らに再開発プランを提出してもらい、起業の後押しをしようと、「第1回リノベーションスクール@そうか」を開き、希望者を募ったところ、約30人が参加した。自前の店舗を探しながら、なかなか条件に合う物件を見つけられなかった田中さんも、友人の勧めで参加した。

 スクール参加者は10人程度のグループに分かれ、それぞれ特定に対象物件について3日間にわたり、活用法を検討、協議した。当初は煎餅店の話も出たが、田中さんは「地元に地域貢献したいが、自分のやりたいことは違う」と熟慮を重ね、最終的に洋風居酒屋の事業計画を提案した。これが、空き店舗所有者らの同意を得たため、内外装工事費用の調達など自前で準備を進めてきた。

 店舗名は寿司店の「酢」、帰って来たくなる「巣」、お互い素になれる「素」と、バル(スペインの街角に見られる立ち飲みスタイルの居酒屋)を組み合わせたという。

 メニューは地元農家から取り寄せた新鮮野菜を使用した「洋風おばんざい」やタパス(小皿料理)。国産ワインにもこだわり、日本酒もワイングラスで味わえる。

 田中さんは「支援する多くの人たちに恵まれ、地元開業できた。長続きが一番のお礼になる」と言い、「リノベーションスクールは、起業の仕方を正確で確実に教われる場。起業に向けた最初のハードルを下げてもらえる」と話している。

 <問い合わせ>スバルTEL050・2018・0069。
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