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福祉相談”対応力”アップ・「SOSゲーム」共同開発

2017.2.20(草加市)
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 認知症や引きこもりなどに悩む人たちの相談にどう対応したらよいか―。草加市と文教大学人間科学部(越谷市)の学生たちが、このほど、さまざまな相談事例の“ケースカード”を使って、模擬体験しながら“対応力”を身に付ける教材「福祉SOSゲーム」を開発した。相談を受ける側が、相談内容や相談者の家族構成などを考慮し、議論を重ねて、適切な受け入れ施設などを見つけ出すというもの。地図やカードを使うゲーム形式の福祉教材は、全国的にも珍しいという。同市は「地域での福祉ネットワークづくり推進のきっかけにしたい」と期待している。

 「福祉SOSゲーム」は、災害時の避難所運営をスムーズに行うため、静岡県が開発した「避難所運営ゲーム」(HUG=避難者の誘導や人材配置などを訓練するもの)にヒントを得て、同市と文教大学人間科学部の森恭子准教授のゼミナールの学生たちが協力して考案した。

ゲーム名は、「社会資源」のS、「お悩み」のO、「相談」のSの頭文字と救難信号を表し、「草加市」の「S」の意味も込めたという。

 ゲームの素材は、市役所、病院などの公共施設や老人保健施設、障害者就労センターなど福祉施設名が書かれた「地図」と、「妻が認知症で夜遅く徘徊し、トラブルを起こす」といった相談内容や相談者、相談者の家族構成などが書かれた「ケースカード」の二つ。

 1月26日、同市中央公民館で開かれた「福祉講座」で、初めてゲームを使った相談対応の模擬体験が行われた。参加者は、新任の民生委員や児童委員をはじめ、シルバー人材センター登録者、市職員ら約80人。グループ分の地図と約60枚のケースカードが用意された。

 参加者は1グループ7人程度でグループをつくり、各グループは、施設の場所が記入された大きな地図を囲み、あらかじめ市役所や福祉施設窓口での実際の相談事例が書かれた、ケースカードを任意に引いて、その相談への対応方法を話し合った。「この場合は、こうした施設で対応すればよい」「否、家族の状況を考えれば、こちらの施設が」―などと議論をつみ重ね、結論が出ると、地図上の施設の上にカードを置いて終了となる。

 各グループは約1時間半、こうした作業を繰り返した。

参加した同大・人間科学科社会福祉コース3年の海藤龍さん(22)は「学校でのロールプレイング(役割演技)とは違い、より実践的だった」と話した。同市福祉課福祉政策室は「多種多様な相談に対応できるよう、このゲームを市民、地域、専門機関、行政が提携した地域福祉のネットワークづくりに生かしていければ」としている。また、同大も今後、教材として利用していく考えだ。
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