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4月から「造血医療」授業開始・全国初、新田小学校で

2016.3.7(草加市)
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 草加市教育委員会は、全国的に先駆けた試みとして、日本赤十字社の全面協力で新年度から小中学校で、移植医療の一つである「造血幹細胞」(白血球や赤血球、血小板などつくる細胞)に関する授業を実施する。これまでさまざまな「命を大切にする授業」を展開する中で企画されたもの。児童・生徒に、誰にでもある「骨髄」や、お母さんと赤ちゃんを結ぶへその緒と胎盤にある「さい帯血」には、白血球や赤血球、血小板などを作る「造血幹細胞」が含まれており、これらを移植することで、血液のがんである白血病や再生不良性貧血などの病気が治ること、命がつながることを知ってもらい、健康である自分の幸せを大切にしてもらうことが狙いだ。先行授業が2月17日に新田中学校で、同19日には新田小学校で行われ、この授業をモデルに、各校で独自に工夫しながら随時授業を行う予定だ。

 19日に行われた新田小学校(森田恵子校長、児童500人)の先行授業は、理科で「人のたんじょう」について学習している5年生を対象にし、この日は5年1組の28人が総合的な学習の時間の2時限分を活用して、「病気の人を助ける大切な仕組み」について学んだ。

 佐藤敦子教諭が日本赤十字社の協力で授業を進めて、1時限目は、「しらべ学習」として、造血幹細胞が働かなくなり正常に血液が造れなくなる白血病という病気について、インターネットや本で調べ、身近に起こりうる病気であることなどを児童は実感した。2時限目には、マンガで骨髄移植やさい帯血移植で病気の人が助かること、そのドナー登録の仕組みについて、わかりやすく学んだ。実際に、児童たちは赤ちゃんの人形を使って、さい帯血の採取の方法も体験した。

 児童たちは「何歳からドナー登録できるの?」「骨髄はどこから取るの?」などの質問が相次いだ。日本赤十字社血液事業本部の鈴木秀夫さんと折口智晴(ちはる)さんが「18歳から54歳までの健康な人がドナー登録できる。提供できるのは20歳から」、「骨髄は全身麻酔をかけて腰のあたりから採取」「さい帯血は液体窒素でマイナス196度に凍らせ、10年間保存する」など、子供たちの質問に答えていた。  授業を受けて児童は「今は怖いけど、成長して健康だったらドナー登録したい」「白血病はドナーがいないと助からないことがわかりびっくり。ドナーになれる、人を助けられる体になりたい」、「ドナーが見つかっても体に合っていないと移植できないことを知りました」などの感想を述べた。

 この授業を見学した木宏幸教育長は「草加市では保健師や助産師による講演や中学生による保育所での活動など、さまざまな形で、命に関する教育を進めている。この授業もその一環で企画した。新年度からの全国に先駆けた、造血管細胞に関するこの授業で、児童生徒に命の大切さを学んでほしい」という。
 日本赤十字社によると現在、骨髄バンクには、約45万人が登録、さい帯血バンクには、約1万人が登録している。骨髄移植は患者とドナー(提供者)のHLA型(白血球の型)がすべて一致しないと移植できないが、さい帯血移植は、すべての型が一致しなくても可能で拒絶反応も少ないとされる。  市教育委員会指導課は「今回の授業をモデルとして、日本赤十字社から講師の派遣や教材提供などの協力で、より良い形での授業にしていきたい。造血幹細胞のこと、骨髄移植やさい帯血移植で命がつなぐ、『命のバトン』であることを児童・生徒に学んでほしい」という。
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