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「注染」技法を多摩美大生に指導・伝統工芸士の昼間さん

2015.8.3(草加市)
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 「浴衣染めの伝統技法の一つである『注染』の技術を知ってほしい」と、埼玉県伝統工芸士で、草加市地場産業振興協議会理事の昼間時良さん(77)が講師となり7日、多摩美術大学・八王子キャンパスで実演を交えた講義を行った。
 昨年に続き、「生産デザイン学科」(弥永保子教授)の3年生23人に、6月2日から7月7日まで6回にわたり注染を指導したもので、昨年の3年生は、浴衣染めの染め台が無く、手拭い染めを実習したが、今回は、大学で浴衣染めの染め台を用意し学生一人ひとりが2週間をかけ自由に浴衣柄をデザイン・型紙を彫り紗を張った。
 講座は、1回目が注染の歴史や工程などの講義で、2〜5回は各回4、5人の出した型紙を基に、黒やターコイズブルー、オレンジなどの6色からそれぞれの学生が希望する1色に白の浴衣地を染める実習を行った。7日が最後の実習で、2人の学生のデザインを染めた後、水色やオレンジなどの色のついた浴衣地から、デザインの柄に当たる部分の色を抜き、さらにその色の抜けた柄に濃淡のぼかしで色をつけるなどの技術を披露した。
 3年の道口綺乃(どうぐちあやの)さん(22)は「職人の美しい技を生で見られることが楽しかった。根気良く丁寧な動きに魅せられ、勝手に実習中の手伝いをした。浴衣のデザインは、聴いていた音楽を音符でなく、先の動きで表現してみた」と話した。
 弥永教授は「デザインの作成や紗張り、型紙の糊をつけるための型枠張りは学生が自身の手で行えた。しかし、時間的制約と技術の問題から糊付けと染めは昼間さん主体で、学生はほんの少し手伝っただけ。失敗しても、多年にわたる技術のすごさを体験できるようにしたい」と次の課題を話した。
 染められたゆかた地は浴衣に仕上げ、学生それぞれがこの浴衣に合う素材やデザイン、技法などを考えて帯を作成し、9月に教授の評価を受ける。

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