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「声」と「しばぐり」が一本化し活動・朗読ボランティアサークル

2013.4.8(草加市)
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 視覚障害者向けに市広報や市議会報などの音訳テープ・CD作成、朗読のボランティア活動を行っている、草加市の朗読サークル、「声」と「しばぐり」の2団体がこのほど、音訳のデジタル化や機材の統一化など将来的な活動を見据えて合併、新たに「音訳ネット・草加」としてスタートした。1日に、草加市文化会館で両団体会員、関係者が出席し設立総会が開かれた。同じ目的に向かって合併することで、デジタル化などの技術向上をすすめるとともに、高齢化が進むサークルに若い世代の会員を増やし、活動の活発化を図っていく。

 「声」は1977年1月、公民館の朗読ボランティア養成講座修了生を中心に発足。声の広報「そうか」の作成・配布、要望に応じて図書の音訳テープ化、視覚障害者との交流など行っており、現在会員は25人。「しばぐり」は、市主催の講座修了生を主に1978年6月に発足し、「市議会報」、「社協だより」、東武よみうりなど地域紙の記事による「東武沿線情報」などの音訳テープ・CD、出前朗読などの活動を行い、現在会員は51人。両団体とも社会福祉法人草加市社会福祉協議会のボランティア草加連絡会協議会に登録している。
 両団体の共通の悩みが音訳のアナログからデジタル化への移行だった。また、30数年前に発足した当時30、40歳代中心だった会員は高齢化。現在、朗読ボランティア養成講座を開催しても参加者は定年を過ぎた団塊の世代が多いのが悩みでもある。
 両団体が社会福祉協議会から委託を受け制作している音訳は、現在市内の希望する視覚障害者40人に届けられている。「しばぐり」は、障害者の要望により、2年前から音訳テープだけでなく、CDでも制作。パソコンなどに詳しい会員がいたことで、デジタル化が可能となり、現在21人分を制作している。一方、「声」は、音訳テープでのみ制作しているが、近年、テープの入手も難しくなり、機材の老朽化などデジタル化は大きな課題だった。再生するラジカセを持っていない障害者も増えており、音訳テープが届けられても聞かずにいる人もいる実態もわかった。
 デジタル化のメリットは、ノイズのカットなどによる音質の向上、録音・編集作業の容易さと作業時間の短縮などだ。「このままでは、活動が停滞していく」と両団体は過去に、希望図書の音訳テープ「カナリア文庫」制作やNTTテレホンサービス「草加の昔話」朗読など共同で行った実績もあることから、歩み寄り合意した。合併しひとつの団体となることで、社協からデジタル音訳用の機材の支援もされる見通しとなった。
 設立総会では、これまでの経過報告のあと、役員の選出、規約、予算、今年度の事業計画の案を全員一致で承認した。会長には、しばぐり代表の川添千代子さんが選出された。「音訳ネット・草加」は、当面は、「声」、「しばぐり」の従来の活動は継続し、福祉まつりなどの対外的なイベントや出前朗読などの活動は一緒に行う。現在、社会福祉法人草加市社会福祉協議会の委託で制作を行っている、市広報そうか、市議会だよりなどの音訳テープ・CD作成の活動は、それぞれの団体で継続し機材の統一化やデジタル化など相互の交流を活発化し対応していく。長時間収録できるソフトを使った「デージ図書」(パソコン、DVDなどで再生、CDラジカセは不可)と呼ばれるCDの普及も今後すすめていく。
 川添会長(77)は「同じ1本の傘に集うことで、デジタル対応やボランティアとしての質の向上を図り、視覚障害者はじめ、私たちの活動を必要としている人たちにとってメリットになるよう努力していきたい。ひとつの団体になったことをアピールし、次の世代につなげる若い人たちに活動に参加してほしい」と期待を込めている。

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