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伝統産業「注染」に挑戦・オリジナル手ぬぐい作製

2012.11.26(草加市)
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 11月10、11日の両日、草加市立中央公民館で、同市の地場産業の一つである浴衣を染め上げる注染という技法を学ぶ「注染講座〜世界に一つだけの手拭いを作ろう〜」の7回目が開催され、受講生14人のオリジナル手拭いが染め上げられた。
 注染講座は、5月12日から毎月1回土曜日に草加市文化会館や氷川コミュニティーセンター、柿木公民館、中央公民館など同市の公共施設を会場として行われてきた。講師は注染の技術で埼玉県伝統工芸士に認定されている東京本染ゆかた草加工業会理事の昼間時良さん(75)。
 講座はこれまで、注染の歴史や浴衣ができるまでの工程の講義、注染の実演などの後、受講生それぞれが手ぬぐいの図案を作成、図案を型紙に描き写し彫る作業、彫り終えた型紙に紗を張る作業を行ってきた。図案の作成や型紙を彫る作業は一日では不可能で、受講生は全員家に持ち帰って作業したとのこと。
 10、11日は受講生がそれぞれの都合良い日を選び、完成した型紙の図案を白い晒(さらし)地に写し、注染染めによる手拭い作りに取り組んだ。最初に型紙を十分水に浸す。これは型紙が染料で少し縮むのを事前に防ぐためと柔らかくするため。この型紙を型枠につける。白い晒地に型枠を押し付け、図案が染まらないように木べらで糊をつける。こうして図案を写した白い晒地に、赤や黒、紺、ピンクなど8色から受講生が選んだ色に染めるため、調合した染料を注染特有のヤカンという道具でそそぐ。受講生も昼間さんの手ほどきを受けながら糊づけや染めを体験した。また昼間さんは、赤、黄、浅黄、水色、紺など16色の晒地から永年の経験からそれぞれの図案に最も合うと考える晒を選択し染め、講座の記念として受講生に1枚ずつ渡した。
 子どもに使ってほしいとポケットモンスターのキャラクターや子どもが考えたというヒーローの闘う姿、自分が普段使用している顔のイラスト、紫陽花、急須や茶筅などの茶道具、菊、金魚など、苦心を重ねた世界でただ一つの自分だけの手拭いの出来映えに、受講者は皆感激していた。
 川崎市麻生区から参加した砂川真津代さん(41)は「注染に興味があり講座を探していて、インターネットで知りました。図案はどのように配置したらよいか、染めはどんなふうに仕上がるのかと色々考え、とても楽しかった」と感想を述べた。
 また市内谷塚の若林小百合さん(43)は「手拭いの会社に勤めていたことがあり、注染という名は聞いていたが、その技法は知らなかった。自分が日常で使える手拭いを作ろうと参加したが、型紙彫り、染めなど一つ一つの工程が楽しかった」と話した。
 講師を務めた昼間さんは「全国のどこも実施していない図案から型紙彫り、紗張り、染めまでの一貫した作品作りができた。世界で一つだけにふさわしい作品となった。市民だけでなく市外の人にももっと草加の地場産業注染を知ってほしい」と話した。
 また、多田智雄産業振興課長は「地場産業の一つである注染の良さと匠の技を知っていただきたいと計画した。多くの人が興味を持ち、この伝統の技術を引き継いでもらうことができれば」と語った。
 なお、受講生が丹精込めた型紙と染め上げられた手拭いは、12月10日から14日まで草加市役所のギャラリーで展示される。

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