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「大川平八郎」の子ども向け伝記・栗原直子さんが出版

2012.9.17(草加市)
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 草加ペンクラブ会長で児童文学作家の栗原直子さん(67)(草加市中央1)がこのほど、草加が生んだハリウッド俳優で日本映画草創期に活躍した、大川平八郎の数奇な人生を題材に子ども向けの伝記「はるかなる旅〜ハリウッドスター大川平八郎〜」を松風書房より自費出版した。
 草加宿開拓者の一人、大川図書直系の家に生まれた大川平八郎は、没落していたお家再興のため実業家をめざし、1923年に単身18歳で渡米。挫折を味わい、紆余曲折の末にスタントマンから身を起こし、ハリウッド俳優の道を切り開いた。27歳の時に帰国した後も、PCL(東宝の前身)に入社し日本初のトーキー映画「ほろよひ人生」の主役をはじめ、日本映画草創期に活躍した。1957年、米コロンビア映画「戦場にかける橋」に日本人大尉役で出演するとともに、日米スタッフのかけ橋として製作の重要な役割を果たした。生涯86本の映画に出演した。
 平八郎の遺族が2010年、草加市立歴史民俗資料館にハリウッド時代や日本映画に出演したときのアルバムやコラム、エッセイなどのスクラップブックなど遺品を寄贈した。この遺品や遺族の証言などから、未知の部分が多かった大川平八郎の人生の多くが解明された。埼玉県がこれらをもとに昨年、ドキュメンタリー映画を制作、2月に川口市のスキップシティで、今月15日には草加で上映会が行われた。
 栗原さんは、37歳のときに早船ちよ氏に師事。これまで、「草加ものがたり」(1983年埼玉文学賞)、「あいつとぼく」(1985)、「ちりちりけんのう」(2009年)などを発表している。出演映画やこれらの遺品の平八郎が書いたエッセイなどを読むうちに、「素直で芯は無邪気な人。知的で情熱家の面もある。持って生まれた、人に好かれるその人柄が感じられた。その人生は、大人だけではなく地元の子どもたちに勇気と希望を与えてくれる存在。辛いことがあっても、自分の可能性を信じ、夢をあきらめない強さをもっていれば、いつか夢はかなう。子どもたちに生きるとは何かを感じてほしい」と伝記の書き下ろしを決めた。
 大川平八郎のことを知る人がいないか取材しながら、小学3年生から中学生を対象にして、今年6月から8月にかけて伝記を一気に書き上げた。巻末には大川平八郎の略年譜、出演年表も添付した。栗原さんは「この伝記によって、新たな資料や証言が出てきてほしい。『戦場にかける橋』を見ても、気持ちのよい演技をする人。この人の栄光とは、生きるとは何かをテーマに、いつか人間大川平八郎を小説にしてみたい」という。
 伝記「はるかなる旅」は、A5版、77n。市内小中学校、図書館、歴史民俗資料館などに寄贈するほか、一般の希望者には1部1000円で頒布する。
 <問い合わせ>松風書房TEL994・7077。〒340・0048 草加市原町2の4の21。

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