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早期帰郷願う福島の被災者たち・いわき市の塚越さんら旧花栗小で共同生活

2011.4.4(草加市)
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 放射能漏れなどで、安全性確保の先行きが見えない東京電力福島第一原子力発電所。近隣地区に住む人たちの危機意識も日ごと高まり、本県各地へ自主避難する住民も相次いでいる。八潮市では福島県人会が食事や入浴などをサポート。草加市でも旧小学校舎を活用した宿泊施設が設けられた。「がんばってくんねーど」。一日も早い帰郷を待つ福島の家族たちをレポートした。

 3月26日、草加市ではこうした福島県内からの避難者を受け入れるため、旧花栗小校舎(松原4-6)を活用し、150人の宿泊施設を開設した。  福島県いわき市常磐湯本から避難してきた塚越友子さんは子ども2人と、義妹の塚越美幸さんと子どもの5人で姉の住む草加に向け14日夜に車でいわきを出発。途中友人宅に宿泊するなどし、17日に草加市内の暫定避難所である吉町集会所(吉町3丁目)に入った。友子さんと美幸さんの両親も4人で同乗し同所に到着。さらに友人1人も車で避難してきた。このうち友子さんの両親は姉の家に落ち着いた。
 26日に旧花栗小に避難所が開設され、同所が閉鎖されたため、午前中に8人で移った。「原発からは20キロメートル以上離れた屋内退避圏ですが、子どもの健康が心配で自主避難してきました。主人はいわき市でまだ働いています。長女ほのかは4月に4年生、次女あんりは4月に1年生になりますが、草加の学校に通うことができると聞き安心しています」と友子さん。美幸さんも「4歳の光華(あきか)の健康を考え避難しました」と話す。
 また2人は「自宅は地震の被害をあまり受けていないので、原発事故が解決し、安全となれば早く家に帰りたい」と、一日も早く元の生活に戻ることを願っていた。避難所については「教室内に畳が敷かれ、敷き布団と掛け布団もあり、暖房器も設置され、また用意された米や野菜などで自炊できる設備もあるので良かった」と話す。

 同じくいわき市から避難してきた田巻賢一さん、美智子さん、長男の新(あらた 中学2年)さん、次男の倭(やまと 小学5年)さん、甥の優希さん(16歳)。14日に草加に住む優希さんの母で、賢一さんの姉がいわき市まで子どもたちを迎えに来てくれた。
 賢一さんと美智子さんはいわき市に残ったが、物資もガソリンも手に入れることが困難になり、また子どもたちが心配であり18日に草加に来て、吉町集会所へ。そして26日ここ旧花栗小に入った。「放射能の影響がないか、草加消防署の青柳分署でスクリーニングをしてもらいました」と賢一さんと美智子さんは話す。賢一さんは福島第二原子力発電所の計器メンテナンスを行う契約社員。「16年ほど働いてきており、正規の社員にと言われていたが、原発以外で働きたいと思い今回更新はしないことに。火力発電ならいいのだが」と言う。
 妻の美智子さんも「仕事と就労の両方が適うなら、いわき市にこだわらない」と話す。賢一さんの母親はいわき市に住んでいるため「母に物資を届けに行かなければ」と、心も体も休まる暇がない日々が続いている。
 塚越さん、田巻さんをはじめ旧花栗小に避難されてきた福島県の皆さんは「福島県の被災地、とくに原発事故の近隣市町村は物資もガソリンンも不足しています。ぜひ援助の手を差し伸べてください。お願いします」と自分たちのこと以上に、故郷福島の現状を訴えた。
 旧花栗小の避難所は福島第一原子力発電所の事故に伴う20キロから30キロ圏内の避難者を対象。開設期間は6月25日まで。1教室定員15人で10教室150人を受け入れ。用意された米や野菜等の食材で、それぞれの家族が家庭科室で自炊可。無料公衆電話、インターネットパソコン、テレビ、炊飯器、洗濯機、電子レンジ、自転車等あり。浴室はないが、近くの湯屋処まつばらが1か月分15枚の無料入浴券を提供している。管理人として草加市シルバー人材センター会員が3月中は24時間、4月からは午前6時30分から午後10時30分まで常駐。

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