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金属造形「溶接アーチスト」・田島製作所<地場にカツ>

2009.7.13 (草加市)
ニュース写真
(有)田島製作所

 コンピュータによるプログラミングが全盛の時代、板金加工の業界も例外ではないが、田島製作所の代表・田島一(はじめ)さん(45)は「うちはRの部分もすべて手で曲げている、昔ながらの板金屋です」と職人技を自負する。6月、父・計三さん(75)を継いで社長に就任した。
 田島は40年にわたり、食品包装機械、食品加工機械の部品を中心に手掛けてきているが、それに加え、一さんは「ハンドメイド」「ステンレス」「溶接」の3つを新たなキーワードとして金属工芸品を創作し、“田島の枠”を広げている。
 「溶接…ハンダづけの注文も多いんです。昔ながらの技術を持つ職人さんが少なくなってきてるんですね」。その失われつつあるワザが田島製作所に生きている。
 草加市には異業種の若手社長が情報交換、勉強会などで集う「草加RINC」があり、その輪から、各種ネジを製造販売する浅井製作所との“異業種合体”で、田島製作所のヒットアクセサリー『ねじろぼちゃん』(草加モノづくりブランド認定製品・1000円)が誕生し、第二弾『ねじケム子ちゃん』(500円)も登場している。
 一さんは上智大学の理工学部機械工学科卒後、企業に就職→離職→米コロムビア大学大学院へ→父の病(いまは元気で現役の職人)で一時帰国→という過程で米国に戻る機を逸し、1994年、家業に入った。学生時代は「数値計算の研究者」をめざしていたが、かけ離れた職人の道に行き着いた。
 「家業を継いだのは間違っていなかった。この仕事って、確実に毎日、成果がある。町工場のいいところは、2階で寝ていて、ふと思いつき、階下の工場に降りてすぐ形にできることですね。これは小さな町工場だからこそできるんです」
 金属造形、溶接アーティストとしての地歩も固めている。大小恐竜の骨格などを溶接技術を駆使して表現し、第26回草加市美術展で草加市長賞を受賞。第10回日本・フランス現代美術世界展2009(1月16〜18日=東京・青山のスパイラルガーデン)では入賞を果たしている。  「草加から世界へ!」その思いは熱い。
    (秋保 洋征)

 ◇(有)田島製作所(TEL048・936・6520=草加市松江) 1970年、東京・練馬で創業。79年、草加に工場移住。金属造形商品は各種「ねじろぼちゃん」のほか「ステンレス製リング」(3000円)、同「ネックレス」&「ピアス」(各4000円)や「恐竜骨格ペンダント」(1万6800円)など。1点物オリジナルの注文も可。ホームページへは『金属造形ジャーナル』で。
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