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草加の若衆パワー、ベルリンの壁打破・六町若衆会<地場にカツ>

2009.5.12(草加市)
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 草加市にいま奇蹟(きせき)?が起きている。
 市を貫く国道49号…旧日光街道沿いの商店後継者や町会、神社祭礼の若衆会が母体となり、その衆議&活動の場、旗印として2006年に「六町若衆会」を立ち上げた。
 何が奇蹟なのか―。
 旧街道に沿う地区は、日光に近い6〜4丁目を「上(かみ)」と、江戸に近い1〜3丁目を「下(しも)」と呼び、その地境(じざかい)は侵すべからず―。それが連綿と伝えられてきた。
 「祭礼の際には、上が下を、下が上の地境を越えたらケンカでしたね。半天(はんてん)を着て他町へ踏み込むなど、また、踏み込んで来られることなど昔は絶対なかった。これはもうしきたりとして先輩たちに教わってきました」こう話すのは若衆会の会長、旧街道に面した(株)スリーエスファルマ(「あひる薬局」を経営)の代表で薬剤師でもある内山英明さん(44)。
 若衆会の発足は、このベルリンの壁ともいえる“草加の地境”の打破、そして新たな町づくりへ向けて行われた。
 「5年前、宿場まつりをきっかけに話し合いの場をもつようになりましてね」その成果として翌年、御輿(みこし)を合同で流した。「互いに、このままでは草加の将来は、という気持ちを抱いていたんですね。これを契機に、歩み寄ればこれだけのことができるのだからと、若衆会を立ち上げたんです」。
 ここに至るまでには各町内の方向性の違い、先輩たちの説得と、伝統を覆すための地道な話し合いを重ね、草加の奇蹟、地境氷解への糸口にたどり着いた。
 「我々が動くことで各町会に統一感を持たせることができたら」と内山さん。当面の目標として再度の合同御輿、加えて町会合同の「盆踊り」を企画している。盆踊りは旧街道を中心にした町筋で、15年ほど前から姿を消している。
 「交通事情や会場、予算など様々な問題で廃止されたが、我々が音頭を取って実行委員会をつくり、実現させたい。合同でやれば、大きな一歩になります」これまでは町会の下働きに甘んじていた若衆会が、発足して3年目、町会の、いや草加の牽引(けんいん)役を買って出ている。
    (秋保 洋征)

 ◇日光街道 江戸期に制定された五街道(東海道、中山道、甲州街道、奥州街道、日光街道)のひとつ。江戸から武蔵の国(埼玉県)―下総の国(茨城県)―下野の国(栃木県)とたどる約36里(約143キロ)。宿駅21のうち千住〜栃木・宇都宮までの17駅は奥州街道と兼ね、草加は江戸から2番目の宿場だった。
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