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よみがえれ!武里団地・国の「未来都市」に選定

2020.8.24(春日部市)
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 入居者の高齢化や人口減が進む大規模団地「武里団地」(春日部市大枝)と武里駅周辺を含むエリアの“再生”に取り組む春日部市が、このほど、国の「SDGs(エスディージーズ)未来都市」に選ばれた。「SDGs」は国連が掲げた「持続可能な開発目標」のことで、2030年達成を目指すもの。今年度、同市は県内では唯一選ばれた。武里団地は市内でも高齢化率が高く、同市は「家賃補助」などによる近隣大学生の入居を図ってきたが、高齢化の歯止めがかからない状況。「市はもっと積極的に若者への働きかけを」と訴える住民らは、今回の選定を機に、市がどのような具体的な再生プランを示すか注目している。

 日本住宅公団(現・都市再生機構=UR)が1966年、同市南端に建設した武里団地は、2020年7月1日現在、5256世帯、人口8553人。完成当時は「東洋一のマンモス団地」といわれ、最盛期は2万人以上が暮らしていたが、現在は半分以下に減少。高齢化率は48%を超え、市内でも高齢者が多い地域だ。

 このため、同市は2011年から若者の入居促進や地域の活性化を目的に、「官学連携団地活性化推進事業」として、同団地に入居し、地域貢献活動をする大学生に、「家賃」と大学までの「交通費」の一部を助成してきた。これまで4大学延べ115人の学生が同制度を利用し団地に居住しており、現在は8人が入居している。

 完成時から住んでいる同団地自治会協議会の竹部会長(83)は、「便利で住民とのコミュニティも出来上がっており、他所には住めない」としながら、「高齢化が著しく、自治会役員も80代ばかり。いずれ自治会も存続できなくなるのでは」と危機感を募らせる。

 同団地内には食品スーパーや病院、市役所出張所、保育所、小学校、図書館、公民館、飲食店などが揃っており、「武里駅」と「せんげん台駅」までを結ぶバス路線もあり生活には便利な地域。その一方で、住民の一人は「築50年を超えて老朽化が著しい」と言い、「5階建ての団地にエレベーターがないため、高齢者にはきつい」と不満を漏らす。

 また、他の住民も「空き家が目立ち、いつの間にか外国人が増えた」「若者がまったくいない」と話す。

同市の波多野康治・総合政策部次長は「武里団地と武里駅周辺を含むエリアに若い世代を呼び込み、高齢者が安心して暮らすことができる取り組みを行うとともに、若い世代が住みたい、就職や結婚で市外に出た人も再び春日部で暮らしたいと思える取り組みを行い、人、まち、世代が循環するエリアを目指したい」としている。住民らは「スピード感をもって具体策に着手してほしい」とし、「未来都市」を絵に描いた餅にしない施策を求めている。


 「SDGs」は「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」のこと。2015年9月に国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際的な取り組み。「SDGs未来都市」は、内閣府地方創生推進室が、この開発目標に取り組む都市を選定している。「SDGs未来都市」の中で“モデル事業”対象都市(今年度は宮城県石巻市など10都市)には国庫補助が出るが、春日部市はモデル事業の選定には至らなかった。
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