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72歳に高校卒業の春・白川さん、皆勤賞で

2018.4.2(三郷市)
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 「無事に卒業できるなんて思ってみなかった。先生やクラスメートとの出会いが私を若返らせてくれた」。三郷市早稲田の建築会社会長、白川好光さん(72)が3月13日、仕事の傍ら4年間通った、県立吉川美南高校U部(夜間部)定時制の総合学科を晴れて卒業した。卒業式では、皆勤賞のほか、県教育委員会から「他の模範となる成果をおさめた」として表彰された。県教育委員会県立学校部高校教育指導課では「県内の定時制には現在60代、70代の生徒が数名在籍しているが、皆勤賞は珍しい」という。白川さんの高校卒業は、高齢者世代に勇気を与えている。学習意欲は衰えず、今月7日には放送大学に入学、心理学を学ぶつもりだ。

 白川さんは、秋田県旧阿仁町(現在は北秋田市)出身。脊椎カリエスの傷害を持って生まれ、養子にもらわれた後、七人の父母に育てられた。中学卒業後、大工に弟子入りし、20歳で上京、25歳で独立し工務店と不動産会社を経営、苦難を乗り越え業績を伸ばした。波乱万丈の生きざまは、NHKラジオ深夜便などで紹介され大きな反響を呼び、小中学校などでの講演活動など次世代に向け人生の指針を説いている。

 4年前、孫が高校受験の勉強をする姿に刺激され「高校は勉強嫌いで行かなかったが、社会に出て一番困ったのは漢字が書けないことだった」と思い出し一念発起、周りから反対されながら受験勉強し同校に入学。同級生は十代の若者ばかりの中で「始めは数学や化学がチンプンカンプンで、化学の元素記号は覚えられず、テストも0点だった」と振り返る。

 しかし、生来の負けず嫌いに火が付き、早朝に予習や復習を欠かさず、授業は席も一番前に代わってもらい、わからないところがあれば先生に積極的に質問した。その努力が実り、1年の2学期以降、学期ごとに表彰される優秀賞の常連になった。体育は、長距離走は無理だったが、日頃ゴルフや卓球で鍛えているおかげで、球技などは同級生と同じようにこなした。

 学校生活が充実する中で、一番気になったのは10代の同級生の事。「やる気があまり感じられず、あいさつもろくにしない。夢や希望がないことが気がかりだった」。自分が歩んだ人生をみんなに話して聞かせると、心を開くクラスメートも出始めたという。夏休みには、山や海にも一緒に遊びに連れて行き、交流を深めた。

 4年間の高校生活を振り返ると「やりたいことをやれてワクワクした。いつでも青春、幸せだった。次は大学で心理学を学び、講演活動や人生に悩む人のアドバイスに生かしたい」と意欲は衰えない。

 4月7日から放送大学に入学、「心理と教育コース」で学ぶ。秋には「人生の教科書」と題した若者へのメッセージを込めた本を出版すべく、執筆にも忙しい。
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