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70歳の学びに優秀賞・白川さん、夜間高校での苦闘つづる

2016.12.5(三郷市)
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 学び始めるのに年齢は関係ない―。3年前、孫の受験をきっかけに県立吉川美南高校夜間定時制を受験し、現在3年生の白川好光さん(70)(三郷市早稲田、工務店経営)の作文が、公益財団法人「日本教育公務員弘済会埼玉支部」(倉橋政道支部長)の「生涯学習実践作文 私の生き方〜ともに学び合う実践〜」で見事、優秀賞に輝き、先月11日、さいたま市の県民健康センターで表彰式が行われた。「漢字が書けない」悔しさをバネに、テストで零点を取ってもめげずに、ひたすら学び続ける白川さんは、シニア世代ばかりか若い世代にも大きな勇気を与えてくれている。

 作文コンクールは、学校や職場、地域、サークルなどの仲間と「共に支え合い、高め合い、学び合う実践」活動を対象に、25年前から実施されている。

 優秀賞は応募60点中2位に当たるもので、受賞作文は、400字詰め6枚にまとめた「高校生活と初老の青春」。「今春、インターネットで公募を知り、自分の生い立ちや仕事をからめ、現在の学習意欲についてまとめた」という。

 秋田県の山奥の阿仁合町(現・北秋田市)の貧しい家庭に生まれ、実に7人もの父母に育てられるという数奇な生い立ちの白川さん。身体に障害もあり、勉強嫌いで中学卒業後は大工見習となり、苦労の末、自分の会社を立ち上げるまでになった。しかし、「老い」の言葉が現実となる中、「勉強しなかった後悔を今になって感じ、特に人前で漢字が書けないことが一番辛かった」と振り返る。

 3年前、孫の受験をきっかけに高校受験を決意。何とか入学したものの、初めは勉強についていけず、知人からは嘲笑された。それでも、先生や周りの生徒たちに支えられ、高校が表彰する「優秀賞」と「皆勤賞」をもらえるまでになったことに自身、深く感動し、学ぶ大切さを実感したことを作文につづった。「入学してしばらくは、テストは零点ばかりでした。先生や孫の世代のクラスメートたちが、応援してくれて続けてこられました」と感謝する。審査員からは「70歳になっても学ぶ意欲は衰えず、何事もあきらめず、人生に終わりはないことを教えてくれる」と高く評価された。

 作文では、「卒業したら、放送大学で社会心理学を学び、青少年の育成に貢献したい」とも述べている。白川さんは、人生経験をもとに本の執筆や講演、若者たちの悩み相談などの活動を続けておりその活動を充実させるために、心理学を学び、カウンセリングの資格を取りたいという。「年老いた私が高校生活で得た、『学ぶ大切さ』を高校生や青少年、社会人に伝えていきたい」と、さらなる意欲を燃やしている。
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