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小中高校生が「防災」学ぶ・リーダー講習や救命指導

2015.11.16(三郷市、吉川市)
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 東日本大震災から4年8か月。想像を絶する津波被害の中で、中学生たちが小学生たちを避難誘導して、間一髪助かったというケースもあった。災害が突然、日常生活を襲った時、普段からの「自助・共助・公助」の学習や訓練が生きてくる。
とりわけ、地域のコミュニティーで、“若い力”が果たす役割が期待されている。吉川市がこのほど行った“防災リーダー認定講習会”に今回、初めて高校生が参加した。また、三郷市では小中学生と地域住民が一体となった防災訓練が行われた。


 吉川市は10月24日、吉川松伏消防組合吉川消防署で、地域の自主防災力を高めるための「防災リーダー認定講習会」を開き、今回初めて市内の高校生3人が参加した。2004年度から実施している。昨年度までに約500人が、防災リーダーに認定されている。
 同日の講習会には、高校生のほか、市内の各自治会の役員、保育園や福祉施設に勤務する人、民生委員ら44人が参加した。講習は、独自のカリキュラムに基づいて、防災に関する知識や技術を学ぶ。参加者は総論(講義)2時間、訓練実技4時間(心肺蘇生法、応急手当訓練、消火訓練、救出訓練)の合計6時間をかけて、防災リーダーに必須の基礎知識や基礎技術を学んでいた。特に講義では、「自主防災組織」の重要性について、「同市自主防災組織連絡協議会」副会長の高橋健太郎さんが具体例をあげながら説明した。
 今回、初参加の高校生は、県立吉川美南高校1年の滝澤明奈さん(16)、金子千紗さん(16)、永瀬玲惟さん(16)の3人。講習会後、滝澤さんは「今日学んだ防災のことを家族で話し合いたいと思いました」と話し、金子さんは「今日の訓練で止血の仕方、けが人の運び方、ねんざの固定の仕方について学ぶことが出来ました」と手ごたえをつかみ、永瀬さんも「身近な物で命が救え、けがをしている人を助けることができると思いました。自宅近くの避難場所を確認しようと思いました」 と感想を話し、それぞれ防災意識が一段と高まった様子だった。


 三郷市教育委員会は9日、市立前川中学校と同中学校区の戸ヶ崎小・前谷小で「小中学校合同避難行動訓練」を行い、各校のスクールガードや保護者らも参加した。
 今回は、前川中の2年生76人が2小学校で児童に心臓マッサージ(胸骨圧迫)の方法など救命講習実技を指導したり、児童の一斉下校に付き添うなどの訓練も合わせて行われた。
 市は、2013年度から文部科学省委託事業として、小中学校・地域・家庭の連携による実践的防災教育として、学校に設置された「高度利用型緊急地震速報端末機」を活用した「MISATOスクール・シェイククアウト訓練」を実施。市消防署・消防本部、市危機管理防災課や、熊谷地方気象台の学校防災アドバイザーの指導で、13年度は彦糸中・彦糸小・彦郷小、14年度は南中・鷹野小・高州小で実施している。
 今回の戸ヶ崎小(関永政之校長、児童530人)には今夏、同機器が職員室に設置されたことで、中学校との訓練が初めて行われた。
 訓練ははじめに、昼休みの時間に地震が発生したという想定で避難行動が行われた。「30秒後に地震が来ます」という校内アナウンスと行動指示が流れると、教室にいる児童は一斉に防災頭巾をかぶり、机の下に、外にいる児童は校庭の真ん中に集まり、頭を守りながら屈む姿勢をとり一時避難。地震の揺れが一時収まると、教員の引率で教室の児童は校庭に二次避難し、全員の安否を確認した。このあと、1年生から4年生は校庭で火災発生による煙の中から避難する訓練を行った。
 体育館では、前川中2年生48人が7月に受講した救命講習の経験をもとに、5、6年生199人を指導した。救命講習は、同市では5、6年生時と中学2年時に実施している。生徒たちは、児童4、5人に人形を使って、「ひじを曲げず真上から手のひらを重ねて」、「リズムよく強く30秒押し続ける」など胸部圧迫方法による心肺蘇生のコツを教えた。押すリズムに慣れさせるため、アンパンマンやAKBの曲などを30秒ずつ流し、児童が汗だくになって心臓マッサージを行った。指導の消防署員は、「人が倒れていたら、まず大人を呼んで救急車を呼ぶこと。救急車が到着までには平均で8分ほどかかり、1人では大変なので、友だちや大人と協力することで命を助ける大きな力が生まれる」と強調した。
 訓練は余震が続く中という想定で、スクールガードや中学生の引率で各班に分かれた全児童が一斉下校し終了した。
 児童に胸部圧迫の方法を教えた、石塚晴貴君(14)(前川中2年)は「授業で学んだほか、市の救命講習会も受けました。胸の中心をしっかりとらえるなどコツをわかりやすく伝えました。力がいるので大変ですが、小学生にはあきらめずに勇気をもってと話しました。自分も復習にもなり、改めて勉強になりました」と話していた。

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