トップニュース

高橋康子さん優勝・「知的書評」全国大会

2015.10.5(三郷市)
ニュース写真
「日本一の読書のまち」を宣言する三郷市に、またひとつ「勲章」が増えた。自分が読んで感銘を受けたおすすめの本を持ち寄ってアピールする、知的書評合戦の年齢無制限による初の全国大会「ビブリオバトル全国大会inいこま」(同大会実行委員会主催)が9月20日、奈良県生駒市立図書館で開かれ、三郷市代表で出場した、同市早稲田の主婦、高橋康子(54)さんが、見事優勝し、紹介した「生きるぼくら」(原田マハ著、徳間書店刊)が初代「チャンプ本」となった。

 三郷市は「日本一の読書のまち」を宣言し、さまざまな読書活動の取り組みが評価され、早稲田図書館や小中学校が文部科学大臣表彰されている。このほど「日本一の読書のまち三郷推進計画」が策定、11月7日には記念シンポジウムも開催予定だ。市立早稲田図書館(園田久美子館長)では、ビブリオバトルに広く親しんでもらおうと、入門講座やチャレンジ講座などを開催しており、7月に今回の三郷市予選が行われ、高橋さんが全国大会への切符を手にした。
 全国大会では、全国から30人が出場し、予選は5グループに分かれ、一人5分の持ち時間で小説やエッセイなど、「おすすめ本」についてスピーチ、各グループ1位が決勝に進む方式。高橋さんはBグループで戦ったが、わずか1票の僅差で決勝戦進出を決めた。
 「三郷市の予選ではほぼ、ぶっつけ本番だったので、全国大会回は入念な準備をしようと原稿を作り臨んだのがかえって、説明調になって自分の思いが十分に伝わらなかった」と予選の内容を反省。予選を勝ち上がった5人による決勝では、内容を大幅に変更しアドリブを交え、自分の思いを素直に語る作戦で臨んだ。その結果、やわらかで伸びやかな発表が、参加者を魅了し、聴衆の審査員281票のうち95票を獲得し2位に15票差をつけて見事優勝した。
 この大会で紹介した「生きるぼくら」は、いじめから引きこもりになった青年が、米作りを通して周りの大人たちの支援を受けて再生していく物語。
 高橋さんは「長野県で農業を始めた友人(女性)を手伝い始めたころに読んで、感動して涙があふれた本です。主人公の青年を助け支える、周りのすてきな大人たち。認知症や障害など差別がある中で、こんな、かっこいい大人になりましょうという思いをみなさんにぶつけました。この感動をみなさんと共有できてとてもうれしい」と優勝の喜びを語った。
 表彰式では、小紫雅史・生駒市長から表彰状や、芥川賞作家の津村記久子さんのサイン本、生駒産の高級携帯耳かき「忙中閑」や、先の芥川賞受賞の又吉直樹さんのサイン入り色紙などの副賞が贈られた。
 優勝したことで高橋さんのもとには、すでにいくつかのビブリオバトル主催団体から出場要請が相次いでいるという。ジャンルを問わず、年間約1000冊を読むという読書家だが、「ビブリオバトルで多くの人とつながることができました。次のおすすめ本を決めるのがますます楽しみです」と意欲的だ。


 【ビブリオバトルとは】2007年、京都大学の情報学研究科で競技型書評会が考案されたのが発祥。バトラーと呼ばれる発表者が、一人につき5分の持ち時間で、自分が読んでおすすめの本を紹介する、書評合戦。紹介スピーチの後、3分間の質問タイムに会場からの質疑に応え、最後に参加者全員で「一番読みたくなった本」を投票してもらい「チャンプ本」を決めるもので、近年、各地の公立図書館や大学に広がっている。大学生の全国大会などはあるが、年齢制限のない全国規模の大会は、奈良県生駒市が初開催。
>戻る