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木版画「三匹の獅子舞」制作・大山さん、伝統を描写

2015.8.18(三郷市)
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 三郷市戸ヶ崎で版画工房を主宰し、よみうり文化センター北千住などで講師を務める・大山岩吉さん(79)が、このほど戸ヶ崎香取神社の市指定無形民俗文化財の「三匹の獅子舞」を描いた木版画を同神社に奉納した。3年前から、1年に1枚ずつ、大獅子、中獅子の順で制作し奉納して、今年、最後の女獅子が完成し三匹がそろった。
 「三匹の獅子舞」は約430年前から、長寿や悪疫退散などを祈願し、地元の人たちの手で継承されている伝統行事。例年7月第1金・土・日曜日に行われ、同獅子舞が奉納されている。
 5年前に、大山さんが版画で「国立新美術館展」入賞などしている腕前を知った、神社役員会から「ぜひ、今の獅子舞の姿を残してほしい」とすすめられ、制作を始めた。自身、香取神社の氏子で、幼いころから獅子舞を見て育った。子どものころから油絵などを描き、木版画は会社勤めのかたわら51年前から始め、浮世絵の、版木の彫師や刷り師から基本を習った。これまで培った技術を注ぎ込んだ。
 昼間は、町会役員やカルチャーセンターの講師などで忙しいため、制作時間はもっぱら毎日、夕食後の夜間。デッサンに約3か月かけ、浮世絵の制作手法で、23色分の版木を10か月かけて彫り、刷り上げた。同じ色でも3段階の濃度を使い分けて、足や太鼓の影の部分などを表現した。
 2年前に奉納した、大獅子は、宝刀で四方の悪魔を払う「太刀懸かり」の勇壮なポーズ、昨年の中獅子は、赤い牡丹を取りに行く「花取り」のワンシーン、今年の女獅子は、正座の舞の決め姿に、白い紙に包まれた、おひねりが舞うようすを切り取った。いずれも、縦39a、横30aの大きさ。神社役員会は「獅子が生き生きとしている」と絶賛した。
 今年で三匹の獅子すべてを奉納した大山さんは「制作を始めてから、好きな晩酌を一切絶ってきたので、達成感とともに、三匹の獅子を無事そろえることができて清々しい気持ちです」と喜びもひとしおだ。
 奉納を受けた、戸ヶ崎香取神社の禰宜・井上教代(みちよ)さん(74)は「これからも神社の歴史と共に大切にしていきたい」と話していた。

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