ニュース

さようなら田中邸・大川戸の古民家解体へ

2013.9.16(松伏町)
ニュース写真
 築300年の旧家が取り壊しに。埼玉県内でも最古の部類に入るとされる松伏町大川戸の田中邸が、早ければ年明けに解体されることとなり、地元の話題になっている。13代目当主の不動産管理業・田中報明さん(45)は「古民家や古物に造詣の深い、良心的な方がいらっしゃいましたら、解体時に原則無償で古材などをお譲りしますので、リユース・リサイクルしていただければ」と話している。
 田中さんによると、大川戸地区には町が税収アップと雇用促進などを目的に「ミニ工業団地」(物流施設)の建設を計画。この施設の進入路の建設に田中さんの土地がかかるため、移転をすることになった。
 田中邸は1712年に建築。敷地約1980平方bに母屋と別館、蔵がある。築3000年を誇るのは母屋で木造平屋建ての床面積約198平方b。田中さんは「今の古利根川を使って丸太を運び、釘や金物を一切使わない伝統工法で組み上げたと聞いています。夏場は、天然素材の調温・調湿作用により、屋内は外より3〜5℃ほど低くなり、書籍や楽器の保管には最適でした」と振り返る。
 東日本大震災のときも自然にたわんで揺れを分散させる効果があり、被害なし。屋内の書物も落ちなかった。今月2日の竜巻も難を逃れた。現在、移転先を探しているが、現在の田中邸にあるグランドピアノに蔵書1万冊や江戸時代からの位牌、金物などの収納場所に難儀しているという。
 町に家屋の保存などを相談したが、不調に終わった。同町の会田重雄町長は「現在、この地区で進めている企業誘致は、町にとって重要なプロジェクトの1つであります。地権者の1人である田中様にとって、苦渋の選択であったことと拝察いたしますとともに、田中様のご決断に対しまして感謝申し上げます。今後の町の発展につなげてまいります」と話している。
 なお、田中邸の素材などに興味のある人は、プロフィールをなるべく詳細に記入のうえ、田中さんt14142@aol.comまで連絡がほしいとのこと。

>戻る